病院へ通院してます…。

まじめな話いい年した30をすぎて長期留学をしているのはわけがある。
20代は長期留学できるような状態でなかったからだ。


日本の国のシステムに起因する理由についてはここでは述べない方針を立てているので書かないが、もうひとつの理由は「医療事情」による。


最初は日本−エジプトを往復することを考えた。
ほんの1ヶ月日本にいるだけでいいんじゃないか?
だってタイやインド、台湾、シンガポール。いやアメリカやフランスの国際医療ビジネスの舞台ではそうしているよね?


だが多くの友人知人に「とめられた」。
理由は「手術後数十日後に突然身体が故障することがある」というのだ。
そのときに病院にかけこめない状態になると「危険だ」という。


たしかに上記は日本含む先進国をホームベースにしての行動だ…。
医療的に安心できる場所での長期滞在であれば問題ないだろう。
だが、エジプトをベースにすると…。
エジプトの医療でギブアップという事態になると命にかかわる。


「すべてが解決するまで日本を離れるな。欧米諸国へいくのと状況が違う。」
そしてそれは正しい判断だった。


身体にメスをいれてからの3年間、たしかに安定しない体調に悩んだこともある。
実際「手術後数十日後に病院にかけこむ」事態になった。
友人が…一大事になった。
日本で二箇所しかない医療システム…。
片道7時間の距離を車で走って駆け込んだ。
知人の…病院たらいまわし…。


ある程度「当たり前」になってきている手術だったら、あまり心配もしないだろう。
しかし、倫理委員会の承認を必要とするような手術となると話は別である。
どこの病院でもいいわけではない。


そして日常生活にはまったく支障がない状況になったが、メンテナンスがいる。


それも最初は日本への通院を考えた。
昔同じ障害を抱えていた人が病院へいく交通費に月10万近くかけたという。
その交通費と日本−エジプトの交通費が【通常】だと同じだった。
だが燃料費高騰。その他もろもろ。


「えーい、現地へいってしまえ」と飛んでしまった。


正直自分の意思によらないものに自分の人生をふりまわされることにもはやこれ以上は耐えられなかった。


エジプトで私の症例を扱っていることは知っていた。
だが問題があった。
その症例は政府系の病院でしか扱えないのだ。
やはり倫理委員会、そしてイスラーム国家らしくイスラームの倫理の承認も必要になるからだ。
そして外国人の通院には政府系の病院は向かない。


だが、もうひとつ考えた。
すでに本体の治療がおわったうえでの【ケア】になるだろう。
しかも外国人である。
しかも法的な問題も…たぶんない。


とりあえずいけるところをみつけよう。


まず日本大使館で紹介していただいた総合病院のリストをいただく。
イスラームの法の問題があるので一般的な国際病院、そしてもしだめだったらキリスト教系で紹介するとのこと。
リストをもとに通いやすいであろう、Maadiの「平安国際病院」にいくことを決めた。
米国の病院と提携のある病院があったが、10月6日市。通うには不便なのでやめた。


※注意事項:この記事にある情報で具体的に相談あるとかいう奇特な方はメールでお願いします。プロフィールにあります。


■病院を予約する
もうひとつ問題があった。
「電話予約」の問題である。
私は現在「外国語での電話ができない」のだ。


「ネットでHPないかな?」と探したら「あった!」。
でオンラインで予約をいれる。


ところが待てど暮らせど返事がこない。
「エジプトだからありかな?」と思ったが念のために親友Xに確認してもらう。


親友X:「…この病院、クウェートにあるよ(汗)…。」
伊東:「ええっ!」


はい、やりなおし。
公式HPはなし。


そうなんだよ、この国の公用語アラビア語
日本語はほかに公用語にしている国がないため、日本語で検索したら日本国内にしかない。
だが、アラビア語は23カ国が使っている。
アラビア語の「平安国際病院」は外国にもある。
ちなみにアブダビにもあった。


■病院に直接いって予約をする、にトライする。
電話しかなかった時代の聴覚障害者の気持ちがわかった気がする。
軽度の障害=難聴者なので電話がまったく使えないがあまりなかった。
しかもFAX番号があるが、うちにFAXがないし、FAXサービスのあるところがわからん。
知人に頼んで…とくるんだろうが、自分の障害をオープンにしない主義なので自力で解決するしかない。
解決する方法…直接いって筆談で予約すること。
で、早速でかけた。


地図をたよりにHadayk Maadiでおりて日本大使館へ向かう。
そしてそのままCorniche El Nile St沿い。
道を聞きながら30分。
橋のようなものを超えるとすぐにある。
ナイル川クルーズ船「Le Menphis」の入り口の向いだ。

受付で「予約したい」というとすぐに入れてくれた。
受付の事務の女性、日本の通院先の某クリニックの某さんにうりふたつ!
日本にかえってきたようななつかしさを覚えた。
これも縁か?
知人にちなんで「エジプトのFさん」とよぼう。


診察料は医師のクラスでわかれていて100LEから200LE。私は150LEだった。
初診でMedical Noがない場合、patient Registration Charge 」60LEがかかる。
初診料&新規登録が150LE(2550円)。+登録料60LE(1020円)。
それを先に払ってから診察に入る。


…エジプトね…先に払うんだよ…。
米国系は一括請求らしいけどね。
僕のは既存の障害なので保険はきかないが、そうでない救急のやつは海外旅行障害保険に加入していて、保険会社が支払いを保障した場合は入院にデポジットはいらない。


心疾患と外傷に対する救急体制に力をいれている、とのこと。
とはいえ、渋滞が慢性的なんでそういう展開にならないことが重要かと…。
救急車有料…3万はかかる。


結果。えっれー大変だった。


朝11時にでて帰宅は終了が20時。


何が大変だったかって、病院を探すというよりも【薬】をさがすのが大変だった。
理由を先生にいって、オペの体を診察してOK。
で処方箋を書いてもらう。


だがそこからが問題だった。


処方箋いただいて、病院の薬局で薬を買って…というところが、「在庫がない」という。
「外で買って来い!」


えええ…外の薬局私しりまへんがな!
しかもかなりマイナーそうな薬品…。
薬局めぐりをせよとな!


エジプトのFさんに助けてもらってなんとか薬局を聞き出す。
「ナイルモール」にあるとな」。

★El Ezaby
http://www.multipharma-eg.com/Contact%20El-Ezaby%20Pharmacies.htm
http://www.multipharma-eg.com/Contact%20El-Ezaby%20Pharmacies.htm
24時間対応なんだって。
エジプト人、通常の薬は大体薬局で買って飲んでいるみたいだな。
薬局は充実しているなあ…。


ナイルモールならわかる。日本大使館の近くだ。
で、病院をでて初めて…マイクロバス?にのった。
車で10分、ナイルモールへ。


薬局へ入る。が、ここにもないという
ひえええと思ったら「デリバリーができる」という。
所要時間2時間。
すげー。エジプトが日本に勝てる部分その1というか。
このデリバリーシステムの充実性。
日本の薬局じゃ数日待ちだぞ。


家へのデリバリができるそうだが、病院にもっていかないといけないので、まつことにして2時間待ち。
Mo'menでコンボを頼む。
デザートのヌガーが有名なのでそれも頼む。
クッキーがお勧めらしいがさて?

http://www.momen-restaurant.com/?action=mission


2時間後。なんとか手に入る。
1アンプル4LE(68円)だ、安っ!
ジェネリック?と思ったが。
Made in Egyptになっている。
ライセンスはOrganonだけど…。


で病院に戻る。
マイクロバス拾うのに苦労する。
だって50ピアスタル、0.5ポンド(約8円)なんだもん。


そしたら「使用が許可されていない」といいだす。おいおい。
エジプトのFさんヘルプ!でOK。
「EMARGENCY ROOM」へ。
え?これ処置室なんだよなあ。
注射の処置料が75LE(1155円)。これは外国人価格でエジプト人は50LE(850円)なんだそうだ。


前もっていわれていたからOKする。


で処置室入って終了。

エジプトのFさんが「よかったー。一日がかりだよ、アルハムドリッラー(おかげさまで)」といってくれてうれしかった。
今度2月にくるときはエジプトのFさんに直接連絡をとることになる。


また帰り。
マイクロバスを拾ってみるとどうもヘルワンまで行くらしい。
でもヘルワンにはいってしまうとうちに今度もどるのに大変なのでMaadiへいく。

教訓:
【薬の入手】に困ることのほうが多いだろうから、もっていけるもんならアンプルをもちこんだほうがよさそうです…。
ただしスタローンのケースもあるので慎重に…。
シルヴェスター・スタローン、持ち込んだのはホルモン剤 - シネマトゥデイ
http://cinematoday.jp/page/N0010180

■で本日は2月の再診でした…。
エジプトのFさんに直接連絡をとろうとしたら音沙汰なし…。あれ?
あとできいたら「休み」だったらしい。。。


しかたがないので電話予約にトライ。


つ…通じねえ…。


「予約したい」と英語でしゃべっても通じない!
アラビア語でいっても通じない。
ちゃんぽんになるから余計通じない。
なんとか「予約したい」を伝える。
そしたらなんと日本語しゃべれる職員に代わってくれたが、今度はその日本語が聞き取れない。
日本語のヒヤリングNG。


おわった…。orz


「この番号に予約用のメッセンジャーいれてくれ」というのがわかったのでメッセンジャーで予約する。


電話がかかる。「明日予約いれるとのこと」。
そして当日。「2時にあいているがこれるか?」「OK」ということで行く。


施術してもらっておわり。


今日は1時間ぐらいだった。

かえりにナイルクルーズ予約しようと「Le Menphis」によったら、「営業していない」といわれる。
期間限定なのか?と聞いたら、そうではない、いつ再開されるかわからないそう。


ここにも世界不況の影響が?


Bill。

■おまけ
病院リスト、カイロ日本人会の会員向けに配布があるそうです。
エジプト国内の病院リストは外務省:
外務省: ご案内- ご利用のページが見つかりません
http://www.mofa.go.jp/MOFAJ/TOKO/medi/africa/egypt.html