不況の正体、どう考える?

2007年からはじまった世界金融危機。それによる不況と就職難。
私個人の見方はいわゆる変化球なので世間でいわれている「それ」ではない。
人生の中で「仕事がない!」の地獄は1996-98年だった。
34歳、いわゆる「氷河期世代」である。
そのころと今とどっちが悲惨な状況か?
「1990年代のそれ」と私は答える。


就職氷河期 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B7%E6%B2%B3%E6%9C%9F%E4%B8%96%E4%BB%A3


なぜか?
「障害者に正規雇用の道なんてまったくなかったからだ。」
つまり「不況うんぬん以前の大問題」だったわけで。


もちろん障害者にも仕事はあった。
だがキャリアプランにもとづいて「出世していく」という道はなかったのだ。
契約社員か嘱託。何十年働こうと給料はそのまま。
はやい話が「健常者のおなさけで食わしてもらっている状態」。
正社員になる道などのぞむべくもなかった。
3年をへてやっと正社員になれた運のいいものもいたが、同期との出世競争には遅れる。


小学校卒業後のときにはじめて難聴者のOB会ができた。
そのときに「就職をテーマ」にでてきたのがこれ。
「小学校をやっと我慢してきた、なのに一生涯健常者に虐げられる日々がつづくのか」と思い愕然とした。
そしてそのような現状に甘んじて妥協しているOBの人たちに強い怒りを感じた。
そして思った、「よし、そんなら俺が変えたる、泣き言なんかいえないようにしてやる」。


以来その戦い、今日までつづく。
で、日本のニュースみていて思うこと。
「仕事そのものがないのではなくて、いろいろな意味でアンマッチがおきている」。
「選らばなければ余裕はあるな」。
「選べている」、ということはまだそこまで最悪ではない。
10年前はまったく選べなかったのだ。
「まあ…一部の人には…ね。」


小学校から本人の才能いかんにかかわらず「負け組みコース」に組み込まれるとぬけだせなかったものが現在は「脱負け組み」ができるんだよ。
これはすごく大きな時代の変化だ。
今「格差だなんだ」と文句いっている人たちはこの「格差」が「健常者とよばれる勝ち組候補に派生した」という事実をあまりにも知らない。だから相対的に悪くなったと感じる。


でもそのしくみはすでにバブル経済にうかれているときからあったのだ。
「負け組み」の環境でもできうる限り「自分でめしを食う」をやれたんだ、ということ。


で、個人的に思うこと。


■この大騒ぎは「デマ」による取り付け騒ぎににている。むしろきっかけはその類と思っている。

デマ - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%83%9E#.E3.83.87.E3.83.9E


たとえば1973年トイレットペーパー騒動。
トイレットペーパー騒動 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%82%A4%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E9%A8%92%E5%8B%95

■その根拠は?
年越し派遣村の参加者が騒いでいる割に異常にすくない。「いったいどれだけの人間が首になっているの?」。実は2チャンネルで「失業者の人数を積算」しているのだが、その積算が聴覚障害者の潜在的想定人数600万人すらはるかに下回る。3月時点で22万人だったと記憶する。50万人にも届いていない。600万人という人数は私のレベルの障害者、つまり障害者手帳をもらっていない聴覚障害者でこれは21人に一人、100人の学校でたった5人。僕が通っていた特別支援学級が卒業当時20人/全校生徒たしか250名ぐらいか。それより少ないんだよ。現実に「無視され続けているマイノリティ」だ。この不況の被害者たちはそれよりもはるかにマイノリティなのだ。なのに大きくさわぎたてる。違和感を感じるのもわかるだろう。この違和感は地下鉄サリン事件の報道の違和感に似ている。


地下鉄サリン事件 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E4%B8%8B%E9%89%84%E3%82%B5%E3%83%AA%E3%83%B3%E4%BA%8B%E4%BB%B6


あれも私は「積年の身体障害に対する恨み」を意識したが、マスコミは「宗教に走ったエリートたち」を意識して「無視される障害者の恨み」はまた「無視」された。わずかにそこにフォーカスしたのは1つの記事だけではなかったか?


理由もきちんとある。
聴覚障害の600万人に対して50万人の失業者のほうがマジョリティである健常者にとって「当事者としての危機感」を強く感じるのだ。そう、実はこの不況が大問題になっているのが「仕事がない!」の危機が「家族の生計をささえる大黒柱に影響しだしたから」だ。立場やもつものが違えば同じ事件に対しても感じ方がまったく違う。相対的にいって、「仕事が得られるようになったのに『ない』って何を甘ったれたこといってんだよ。」になってしまう。


実際に失業しているのは報道でいわれている以上に相当のマイノリティである、ということは意識していたほうがいい。


■だけど高みの見物は非常に危険。
だけど「山一證券が『デマ』でつぶされた(と私は理解している)」ように一番恐ろしいのはデマが本当になって事実に変化することだ。これは各種の社会実験で証明されている。


ちょっとした小さな「うっぷん晴らし」が結果として数百万人を虐殺する事態に発展するのが人間の悲しいさがなのだ。ナチスドイツの罪もルワンダの罪も、そして日本の歴史上にも反省するべき事件がある。正直「言葉とナイフ」は同じ取り扱いでいいと思っている。これもなかなか理解されないことであるが。


山一證券 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E4%B8%80%E8%AD%89%E5%88%B8


しかも急激な「朝礼暮改」でいろいろなことが起きているために、仕事の契約等にもパニックが起きているのだ。
つまり文字データで公開されているものが「Too Late」になっている。
つまりインターネットも信用できない。
内定取り消しもそのひとつ。
学生にはかわいそうだが、これだけ早いスピードで「昨日の話は今日違う」になると一方的に企業だけをせめることはできない。


つまり「不況の影響」というよりも「不況の影響を『起こしている』」という感じ。


しかしゆってもその中で生きる「当事者」として何ができるか。これが難しいこと。
一緒に同じ踊りをおどるのは「バカ」。
「私がこの状況で何ができるか」を考えて計画、行動したほうがいい。


■で求人を分析。

求人だけだとありそうだが…。
ふたをあけるとこういうことだ。
「かなりデリケートな部分まで人材を厳選している求人が多い。」
あるところにはあるし、人手不足でないているところはあるが、人材のアンマッチがあるらしい。
つまり「やりたい仕事をやる」ではなくて「やれる仕事をやる」に変わっている。
けれどもそこに気づけない人が多い。


口コミをもっている人は仕事を得やすいとは思うのだが。
あと聞いた話で1件1件こまめに回って話をききながら仕事をさがしている人もいるらしい。


逆にいうと「現場にはいって一緒に動いてみないと状況はよめない。」


■友人たちの話(ヒヤリング)から感じた状況
どちらかというと「保険」のために仕事を発注しないパターンが多い。
仕事はあるのに今期は「こわくて発注できない」。
=>「デマが本当になる」のパターン。


ただ職種によっては絶対に必要な仕事、つまり「操業停止をしてはいけない」仕事があるのだ。
たとえば「不況になったから」と新幹線、飛行機の本数をすべてとめるだろうか。
送電をとめるだろうか…。
物流をやめるだろうか、機械のメンテナンスは?その他…。
少なくとも「まだ社会のインフラは健全に動いている」。


またこのようなビジネスモデルの急激な変換が必要な仕事は一気に増える。
ただし、これもいわゆる漁業(農業)の考え方同じで一定の時期に一気に収穫を得るという流れになるので、時間がたつと収束して「人がいらなくなる」=>首。ここが僕のような傭兵の勝負どころなんだけど…。
これが「波がよめなかった」ためにゴールが設定できない、計画が立てられない、イライラ、だった。

とりあえず「日本でやるべき用事もある&経済的事情」という自分のためでもあるが、「戦友」のために一時帰国。
=>技術屋って「技術&人」が商品なのでその「マッチした在庫」があることで会社が助かる場合がある…。

日本でふたあけてみないとわからんこともあるわ…。

■この事態は収束する?
完全に私見だが、これは「別の意図が隠されている」。たぶん誰かが「政府よ、お前のせいだ」といいたいのだ。この「不況のことそのもの」ではなく、別の意図で。ある種の人は。なぜならそれをいうことで自民党政権がつぶれればそれによって「得をする/助かる」と考えている人がいるのだ。その人たちが「目的を果たすことができれば」この事態が収束に向かう可能性が出てくる。


そう考えたきっかけは中川昭一財務大臣がG7閉幕後の記者会見の事件とその後の報道だ。ここにも先に述べた「違和感」。


正直「これは何か『もられた』」と思った。


G7は「保護主義けん制」という当初の目的があった。
問題のひとつに「アメリカ国民はアメリカの商品を買いましょうね」という「パンアメリカン条項」があった。

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090214dde001020034000c.html
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090214dde001020034000c.html


それに中川大臣は「No」といった。

http://www.jiji.com/jc/zc?k=200902/2009021300381
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200902/2009021300381

同相は、米大恐慌後に保護主義ブロック経済化が進んだ歴史を語った上で、「保護主義は一国では良くても、世界全体ではマイナスになる」と指摘。さらに「これまで日本に自由化を求めてきた米欧や他の国が保護主義に走るのは、絶対的に悪だと思っている」と述べた。

中川昭一 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%B7%9D%E6%98%AD%E4%B8%80


そのあとだもの。しかもG7のことが報道されず。
「なんか変」と思って調べたらこのザマ。
そこに乗っけられてしまった大臣の油断は反省していただくとしても、実は麻生政権では「何をやっても悪い評価/結果しか得られないのは?」と思う。大臣が悪い、というよりも「そのように仕向けたい意図」のほうが強く働いている。


「ハロー効果」でいうところの「失敗しか期待していない」ってやつだ。
「経済政策に失敗してバイバイしてくれ」という意図が強く働くから結果がでない。
これを乗り越える人間力は相当なものが要求される。


中川大臣が辞任して麻生大臣の孤立奮闘が続く…が時間の問題とたぶん思ったであろうが、そうは問屋がおろさない、今度はこちら。

http://mytown.asahi.com/iwate/news.php?k_id=03000000903040005
http://mytown.asahi.com/iwate/news.php?k_id=03000000903040005


関連ぐぐる
http://news.google.co.jp/news?ned=jp&hl=ja&q=%E5%B0%8F%E6%B2%A2%E4%B8%80%E9%83%8E
http://news.google.co.jp/news?ned=jp&hl=ja&q=%E5%B0%8F%E6%B2%A2%E4%B8%80%E9%83%8E


さらにこの政局の混乱は長引く可能性がある。
誰が変わっても同じことがおきるだろう。


漁夫の利を得そうな動きにも警戒しないといけない。
(残念ながら私はその姿を確実に認識していないが、直感はしらせるね。)


結果として政治は「小さな俺たちの利害」のために動かされていて、大きな「俺たちがめしを食う」の状況はめちゃくちゃだ。
それでも「お上がなんとかしてくれるのを待つのか?」


長いのでつづきます…。