暴走老人・・・
仕事がピークゆえ、しばらくかけず。
リビアの騒乱。
カダフィ大佐のわかりやすい言動で気がついた。
中東革命をひとことでいうと「暴走老人」。
藤原智美氏の著作だ。
- 作者: 藤原智美
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/12/04
- メディア: 文庫
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ふんべつのあるはずの老人がキレる。
まさにその展開。
なぜそんなことになったか。
上記の著作でいうと、時間、空間の概念がおどろくほど激変したこと。
そのため、長い時間をかけて蓄積してきた老人の知恵が通用しない。
そして適応障害をおこした老人が牙をむく。
カダフィ大佐の言動にみられる「老人」を立てる心。
それが当たり前だった。
だからリビアは選挙をしない。
議員は交代制。
長老が重んじられる。
リビアでなくても、ここ数十年の中東ではそうだった。
若者は長老に決定をまかせて順番をまてばよかった。
長老は若者のことも考えて、蓄積した知恵で判断する。
長老にものをいいたいときはどうするか。
私が知る常識。
直にいうのは「非常識」。
長老と同レベルの長老に相談し、その長老に伝えていただく。
カダフィ大佐は長老たちの
いわば「自分のビジョンを形にできる天草四郎」だった。
カダフィ大佐はリビアのビジョン(理念)。
政治的実務は長老たち。
長老たちのなかでもカダフィ大佐よりの人が
権力をもちやすいということはある。
重要な実務は長老が決めて、
カダフィ大佐はビジョンに照らし合わせて、
確認してから発表する、いわばイメージキャラクター。
だからこそ、27歳の未熟な若さから
41年間、権力を維持できたのだ。
ところが。
変化した時間と空間。
長老の意思決定では時代に「間に合わなくなった」。
長老が耳をかたむけるのを待てなくなった。
順番がまわってくるのを待てなくなった。
問題解決のスピード。それが根本だ。
若者が長老にたてむかうなどありえない「非常識」だった。
それはジェネレーションギャップなんて甘い言葉ではない。
ジェネレーションショックといってもいい。
若者たちを「悪魔」と呼ぶ。
まさにそう感じてしまうほどの「非常識」。
われわれは長老制度が崩壊していくさまを今目撃している。