「ノマド」に思うその4−「ノマド」ネタの確認ポイント

もうひとつ「特殊な環境」とされる生い立ち上の理由がある。

私の一族では社会構成員でヒエラルキーが高いとされるのは起業家なのだ。
次に高いのが軍人、今の日本では自衛官
遊びにきたなら「神様」扱いされます。

医者と教師(大学教員、民間の塾、お稽古系含む)である。
+それに付随する医療関係者は必須。
サラリーマンと公務員は評価されない。
ようするに
「人の仕事を手伝うだけで人の報酬のおすそわけをいただく。
自分でコントロールできる仕事をしていないからだ」という。


とはいえ、人生の初期にはいきなりスキルがあるわけではないので、
サラリーマンとはいえ、「経営者目線で学べ」といわれて育ったわけ。
会話は盗めなかったけど。。。
(会話が盗めたらもっと早く起業している…)


世間的に「ノマド」だ、起業だ!と騒ぐ前に私の周りはほとんど社長クラス、起業家が多かったので、いろんな人のいろいろなケースを生で見聞きするわけで、ちょっと気になる伝えたいことがあります。

最後に。

<自由とはなにか>
父&父の友人世代(75〜55歳)がいわゆるノマド的な働き方で成功していることが多いのだが、問題が生じている。


その子供たちがある意味で人生がうまくいっていない話が多い。
それで結構相談ものったりもした。


実は時代的な「格差」も大きな原因ではあるのだけど、
それ以上に大きいのは
ノマドで成功した父親をみて、それをベースに人生設計をするから
うまくいかないというのは多い」


父親はそれなりの哲学や信念で人生をやってきたのだけど、
その白鳥が水の中で水をかくような自己啓発努力が子供たちに伝わっていない。


ノマドで働く」という視点のままであいまいにライフスタイルをつくるから、
「自分が何を社会にだすか」という視点に乏しい。
「自由になりたい」をベースにして「自由になったら何をしたい」がないからフリーターとかに転落してしまうのだ。


「自由になってどうしたい?」
「自由になった自分ってどういうことなの?」
「自由になったあかつきには社会に何をだすの?」


自分をどういう社会のどこにおいているという絵をかける?
かけないで「自由」なんていうんだったら、
どこかにやとわれていたほうがいいよ。あぶないから。


まあ、やとわれっぱなしもあぶないけどね。
とにかく大事なことは「自分の軸をしっかりもつこと」

<自分ルール>
先の自由とは逆になるのだけど、「自分ルール」に厳しい人でないと
ノマドは成功しない。
ノマドワークの成功者の必須項目は
「約束を守る」ということの積み重ねだ。
神が天でみはっているような感覚で自分を制御できないと、
神より見通しの聞かない人間の信頼は得られない。


しかもノマドの厳しいところは「努力の経過」が一切みとめられないことだ。
結果ありき、結果しかない。
だから結果をだすために考えられる限りの時間・能力の投資をしないといけない。
ということは実は「自由」ではない。


はき違えたらえらい目にあうよ。


<結果をだすために必ず守ること>
これができていない人が多い。

「締め切りまもれ」


「見積だせ」


「仕事終わったら報告書だせ」


「お金もらったら領収書だせ」


「いいっぱなしにするな」


「なんらかのレスポンスを○日以内にかえせ」


「とにかく見える化しろ!」


ノマドにあこがれる人へ>
いろいろな経験談を聞くことがあると思うだろうけれど、私自身もいろいろ経験した上でも注意してほしいことがいくつかある。


まず、人生のおとしどころ。これを間違えないでほしい。
要は最悪のときになにもわからないときに一番頼りになるのは
「自分が何をしたいか」です。
自分の人生のミッションが決まっていなかったら
ノマドの美辞麗句にだまされていいように使われてしまうのです。
「自分が何をしたいか」ということは
当然「仕事が自分にふさわしいかどうか」判断できるということになります。


次にアドバイスを聞くときなのだけど、
生計をどのようにたてているかを注意して聞いたほうがいい。
なるべくできれば…違う社会環境にいる目上の大人に話をして
客観的に分析したほうがいいと思う。


生計を立てるための仕事が違うことがよくあります。
ある私の知り合いはライター業でしたが、
たしかにある考え方である程度のライター業での自立はできますが、
実は彼には不動産収入があった、という場合、その手のうちをみせないのです。
表面的に「ライターで食えるんだ」でとびつくと
育った環境によってあとの人生で地獄をみることがあります。


あと、セミナーや情報商材の販売が利益の元で
内容ではない、ということもあります。
たとえばPHPのプログラムでノマドワークを、なんて書いていた場合、
PHPのプログラムでノマドワークで生計を立てて成功したわけでなく、
そういうネタでやっている勉強会が収入だったりすることもあるわけです。
素直に「PHPのプログラムの勉強会」とかけばいいものを
そこは戦略で「ノマド」をいれると人が集まるというのはあるもので。
そのキャッチフレーズにだまされるな、ということですね。


↑こういうのはめずらしいことではなくて、
たとえば花屋さんの収益は花屋さんに併設している教室とか、
電気屋さんだと電気器具ではなく、メンテナンス、
特に賃貸の不動産の電気工事、とか
流れの美容師さんだとキャバクラとかクラブの女の子のヘアセットとか
先のわが父の食品コンサルティングの講座…ではなくて、
その結果コーディネートした食品工業材料の歩合だったりね。。。
そういう確実な実のあるものの正体をみきわめること。


こういうこと書く理由は現在の若い子の多くはサラリーマン系のやとわれの人の子供が多いので、
「大人が仕事をしている風景をみたことがないのです。」


子供のときに農学部の研究室に遊びに行き、
父の仕事の営業(出張など)についてまわり、
父の仕事仲間と遊び、みたいな経験がある私とはだいぶ違います。
そこも「常識のずれ」の違いになっていますが。
「親が自営業だった」という人はもっとわかるのです。
こういう「格差」もかなり大きい時代です。

ノマドの子でないとノマドになれない。
でも優秀なノマドの子がノマドで成功するとは限らない。


多くの人は「サラリーマンになる」ことはイメージできても、
「何で収益をえて生計をたてるか」をイメージすることはできてなくなってます。
まあ企業だと決算書がその資料なんだけどね。
会社で赤字部門多くてそれなのに平然としていて「何?」と思っていたら
その会社の収益が不動産業、ということもあるしね。
有名なのはマクドナルドが不動産業、ということなど。


まずはやとわれの経験をして、
そういうことを見分ける力を身に着けてからノマド考えたほうがいいと思う。


あとやとわれで身につくのは「管理する力」。(社風にもよるが)
契約書/見積書/清算書の書き方&読み方とか身につきます。
これは中小企業が苦手な部分でだからこそ雇用がおかしくなっているのもあるのでそのスキルがある/なしでは違います。


独学で身に着けるのは難しい分野なのでサラリーマンできるのであれば
そこでみにつけたほうがよいです。


いっぱいあるのだけど、全部かたると大変。


「プロジェクトやったら金を回収してきちんと経理につけること」までが
仕事です。それができなきゃノマドワークはできません。


読者の中には「当たり前」と思うかもしれません。
「なんで当たり前のことをさとしはわざわざ書くんだ」
いつもいわれます。
でも2つ理由があるのです。
ひとつはそういう社会にいなかった人がいるからです。
たとえば聴覚障害者だとそういう話は聴けません。
もうひとつ。「当たり前」と「できている」は違うのです。
つまり「やってない、できてない」のほうが圧倒的に多い。
もう領収書の督促…企業のやとわれでない人はやらない人多いのです。

プロ意識低すぎ。

そんなところでとりあえず今日はこれまで


<終わり>