部屋を借りる、ということ(その1)



なかなか情報が入りにくい必要な情報に、エジプトの住居の問題があるだろう。
実際エジプトの旅行の記録があっても、エジプト滞在の記録があっても住居の情報まで乗せているのは少ない。
これはエジプトならではの事情がある。


エジプト旅行&エジプト滞在に必要なものは何か。まずそこから始まる。


なんだと思う?


「自分がどういう生活をするかを明確にすること」だ。


えっ?と思うかもしれない。


エジプトでの生活を決めるのは「個人のあり方・スタイル」なのだ。
「私は○○である。」そして「私は○○がしたいのだ。」と宣言することがすごく重要なのだ。
そうすると「いらない」ものに対して「NO」といえるし、必要なものに関しては交渉できる。


もちろんうまくいく場合もあれば「しまった!」ということもあるだろう。
しかもそれはそれぞれの事情による。
日本よりも個々の差異がはっきりでるのだ…。


だから住宅情報などが手に入りにくい。しかも体験談を書くことも難しい。
ある個人がある体験をしたからといって別の個人が同じ体験をできるとは限らない。
格差社会」とはいう。エジプトでは特に顕著だ。
たぶんこういう情報を公開することで、エジプトでの立場がみえてしまうのだろう。


何の目的できたか。日本ではどういう社会階級だったか(これ重要)。
エジプト社会にコネがあるか。エジプト人よりの思考か。
もともとのその人のキャラクターや社会的立場など。
こういったものが日本にいるときよりもはるかにいい意味でも悪い意味でもシビアにでる。


こういうことの公開は往々にして日本人は苦手だ。
成功の公開もあるだろう。しかし失敗の公開も必要だ。
しかし成功の公開は「自慢」ととられ、失敗の公開は「恥」と考え一切しない。
「効果と成果」という言葉がある。どちらも大事な資源なのに。


大事なのは「どういう方針でどういう行動をし、結果どうであったが、成果はこうだ。」
これではないか?
これは日本での10年間の活動のなかでも痛く感じてきたことだ。


人の経験から学ぶことなく「自分だけは特別」と先人とまったく同じ行動をするから同じ失敗が金太郎飴のように繰り返される。


必要な意識は個人がどうあるかだけではない。時代や社会の流れもそうだ。
エジプトにいると政治経済を自分の身辺に感じる。
今そこで起こっている政治や経済事情がそのまま「私個人」の身の上に起こる。


もったいぶったいいかたでわかりにくくしてすまん。


「私の価値は私が決める」。
それは部屋探しにも反映されるということがいいたかったのだ。


そして政治経済。情報を検索すると体験談にエジプト・ポンド(LE)が書いてある。
だが、情報を読むときに注意したいのは「いつの時代の体験談か」である。


6年前の2002年にはエジプト・ポンドは1LE = 40円した。
そのころカイロ北部某所の3ベッドルームの部屋は2000LEだった。
知り合いの家で遊びにいかせてもらったことがある。
広さどのくらいだったのだろう…。台所さえ10畳あった気がする。
この部屋は日本円にして8万円だったわけだ。


で、同じ2000LEで…。現在。


タイトルにあるとおり、ヘルワン市にいる。
この地域は19世紀の昔イギリス人が保養地として開発した地域で、町としては古い。
エジプトのカイロ、つまり首都圏は南から北へ、ナイル川流域から砂漠へ発達した歴史を持つ。


つまりヘルワンっていうのは比較的古い町並みをもつ町なのだ。
古い町並みではあるが、近年の人口増加>2002年に6000万人だったのが、8000万人になっとるでよ〜 の影響で2008年4月、つまり今年であるが、カイロ県ヘルワン市だったものが、ヘルワン県ヘルワン市、つまり28番目の県になったのだ。




このヘルワンという地域は古い町なもので比較的物件の値段が安い。
これがエジプト人の友人いわく「中級クラスの人向けの家で2000LEが相場だろう」とのことだった。
1LE = 20円で計算すると4万円。
エジプトには基本的に「独身のため部屋」は存在しないといわれている。
最近はあるのかもしれないが。


それに私自身の生活スタイルとして新宿区に一時住んでいたときに「今後日本でも独身用の物件は借りないようにしよう」と考えていたため、2ベッドルーム4万ならいいかな?と思った。【スタイル方針1】


家族用を借りて誰かとシェアして住んだほうが値段に相対して台所、トイレ、フロなどの水周りの環境がいいのだ。
独身用の部屋は「生活するようにはできていない」。
料理や風呂を楽しむには適していない。
【スタイル方針2】


そのヘルワンで2ベッドルームの部屋を2000LEで借りている。
これが現在の1LE = 16円に換算すると、32000円。


一応家具、インフラ(電話含む)も【込み】でバワーブ(門番の意味、管理人とは概念が違う。後記)代(20LE/月)、ADSL(34LE)別。


こちらの勘違いでインフラが別だったとしても100LE行かないはず。


部屋の広さは…100?超えてる?
たぶんリビングだけで日本で前すんでいた2DKはあるよ。
あれが50?だから…みたいな。


しかしわからないシステムがあるので、要チェック。
ほとんど【信用】だけで借りた物件だし。
というのはここ、友人の親戚がオーナーのマンションだから。
どうもこの地域の地主らしく、ほかにも所有の物件があり、友人の家も建築中だった。


本来教科書どおりにいくと、建築中だったり、しばらく空き家だった家はNGとされる。
なにかトラブルが起こる場合が多いからだ。
だから下見いったら、泥をかきだしていた…という家は本来は論外。
この家まさにこのとおり。「やや欠陥住宅気味」。比較的新築なのだけど…。


※でもベッドルームのドアは自力で直してしまるようになったぞ、ばんざーい。
※ハンマームのドアがしまらんのは前住民がハンマームの使い方をおかしくしたみたい(おそらく洗濯排水の水周りが「変」)で木の扉をいためたあとの修復がおかしい。こいつは根本から工事やりなおさんといかん…。あと開かずのベランダの扉…とかね。

そもそも私が住んだヘルワン某所のこの町自体が都市開発途上で周囲には建築中のマンションが多く、中には一室完成させて住んでしまっている。私のところは「全室完成…」と思うのだが?みたいな?


あれからどうか…というときちんとすめておりまする。


日本のバラエティ番組でエジプト人タレントフィフィさんが「エジプトの場合、中古物件のほうが高い。人が住めたという信用があるから」といった。友人にいわせるとすべてがそうではないらしいが。


下調べしていた話と違って驚いている面もある。


たとえばごみの回収費用は…ない?とか。
エジプトの友人Mも「そんなものないない!」と手を振っていたし…。
カイロの外国人地区&高級住宅地ゆえのシステムなのか?


そういう【なぞ】がおのおの発生するからややこしいんだよな。


■バワーブという役割
バワーブというシステムもよくわかっていなかったりした。
「管理人&セキュリティ」とは役割が違う、ということは1週間いてわかった。
「なんかサザエさんにでてくる三河屋さんがマンション専属になっている感じ?」。


「管理人&セキュリティ&雑用係」というところか。


ちなみに平均月収400LE(約6500円)で世襲であることが多いらしい。
1世帯20LEで20世帯みれば基本400LEでいろいろな小間使いでものによっては手数料1LEとっている感じかな。

■部屋についているもの
ベッド、たんす、応接間セット、ガスレンジ兼オーブン、冷蔵庫、戸棚、洗濯機。


■ないもの
テレビ、電子レンジ。
ストーブ。

※テレビは「うーむ」と思ったが、日本でもあまりみていないし、インターネットで番組見られるし。
エジプト国営放送とアルジャジーラがみられればいい。【スタイル方針3】
電子レンジは日本の実家にもないし。ストーブは基本的に嫌い。ものによっては俺使いこなせない…。

■費用(初期費用)
初期費用で今月分(12月15日〜1月14日)、ラスト二ヶ月(4月15日〜5月14日、5月15日〜6月14日)の3ヶ月分の家賃を要求された。「あれ?初めて知るシステムだぞ?」と思った。


この辺のしくみは大家さんしだいであるが、ラストをおさえることで「その月まで確実に住みますよ」と確約させるためらしい。中にはラスト1ヶ月をおさえる場合があるが、私の場合、新規に準備費用が必要だったのだろう。
不動産屋が本来はないのがエジプトであったが、最近は不動産屋もできている。この場合、1ヶ月分が手数料となる。

またつづき書きますゆえ…。