改造人間のための海外旅行保険


海外滞在のときに保険に加入している人はどれだけいるだろうか。


いや、短期の旅行であれば掛け捨てで入っている可能性が高いが、長期で安宿滞在をしている人は「入っていないのではないか?」と思うことが時々ある。


ほとんどの場合は「加入しているだろう」。
そのほとんどの人たちはどうやって加入しているか。
短期であれば空港でさくっと書類を書いてだす。


長期であれば、一番手間がかからず手ごろで安いのはオンラインで申し込むことだろう。


だが、このさとしのような「改造人間」はそういうわけにはいかない。
保険契約の「定期的に病院で治療を受けているか」という部分にひっかかってしまうのだ。
しかも「身体に障害があるか」。
それにも引っかかってしまう。
「過去に保険料を支払ったことがあるか?」ここにひっかかる改造人間の方々もいるかもしれない。


この場合、オンラインでの自動的な申し込みはできない。
必ず保険会社と相談する必要がある。


通常の生命保険、医療保険だと上記に該当する人は入れない。
ほぼ唯一、40歳以上から入れる疾病特約のついた保険であれば加入できる可能性がでてくる。
あと6年。


だが、海外旅行・海外滞在の場合、そういうわけにはいかない。


海外滞在にはリスクがつきまとう。


一番身近なケースでは「海外滞在時の医療費」だろう。
日本では保険に加入しているため、通常医療費は20%か30%だろう。
では保険がなかったらどうなるか。


数百万単位で医療費がかかってくる。


これを用意するのは通常の家庭では無理だ。


また、航空機事故等でお亡くなりになったもしくは体位を変えられないほどの重傷を負ったとする。


これも数百万、下手をすると数千万単位で費用がかかってくる。


また現在アパートを借りているわけであるが、これも何か水漏れなどのトラブルがあって、損害を及ぼした場合。
賠償する必要がでてくる。


人が生きるということはこんなに大変なんだと思い知らされる。


もしも障害者が海外旅行保険に入れない、ということになると「障害者が海外にでるなんて無謀」という話になる。
もしも海外に出れば「身の程知らず」「自己責任。家族が賠償しろ」という話になるだろう…。


釈然としない…。


私のほぼ人生を大半をかけてしまった闘争のひとつに「障害だけですべてを縛るな」というものがある。
障害がある=サバイバル能力が低い、ということではないからだ。
障害のある人よりも生きるサバイバル能力の低い人たちのほうが圧倒的にマジョリティなのだ。
判断されるべきは「障害の有無、五体満足であるか非か」、ではなくて、
「その環境を生き抜くサバイバル能力があるかどうか」で判断されるべきではないのか?
そこをなんとかするために行動できること、それこそが大事ではないのか?


たとえばリーダーシップのある障害者とまったくリーダー的行動のとれない健常者。
現場の指揮権を任せる場合にリーダーとして「リーダー的行動のとれない健常者」を選ぶ。
人間はとにかくそういう間違いをおかしがちだ。
もっともその原因のひとつに「親しみやすさと柔軟性」をあげたため、ということも否定できないが。
それはハンディをもつリーダーに往々にして欠けているものだからだ。
「できすぎる障害者」より「できない健常者」のほうが大多数の他人にとって「おれたちのことをわかってくれる」と感じるからだ。

その浅い人間的感情を否定はしない。


しかしだからといって「障害者の自己実現を制限していい」とくくってしまっていい、ということにはならない。だが、現実には複雑すごるシステムは往々にしてマイノリティにそういう形での制限を課すことがある。


海外保険、いや、海外留学の準備をしているときにそのような冷たさを幾度となく感じてきた。


「役にたつ人間として成長することを期待され、手厚く保護される健常者」と、「てめえの勝手で行くんだろうとばかりに無視される障害者」。


この格差はなんだ。


ふう。


逆に無視されるということはてめえ勝手に自由にできるという利点もあるが。
でもバックアップがある/なしの環境的待遇の差異は大きい。


で、そんな障害者&改造人間の海外滞在用の保険。
「門前払い食ったらどうしよう。」と正直どきどきしていた。


海外旅行保険加入の方針
・お守りみたいなもんっす。
=>加入していると「なにもおこらない」。守りがないときに限って…。

・私に役に立たなくても、誰かの役には立つ
=>少なくとも保険会社はそれでめしを食っている

=>クレジットカードでカバーできない領域をカバー
・国内だと航空券、チケット、ホテルはカード清算なのでOKだが、
 今回航空券も「現金決済」なので…。

・万が一のときに家族に負の負債が及ぶのを防ぐため
=>時間を買うように動いているので、負の負債あり。
 私個人が元気なら問題ない額であるが、万が一があった場合、残された家族で清算は無理
 ※負の負債がなかったとしても万が一のときは数百万単位の負の負債が生じるぞ!
 最悪のとき、自分の身のことがきれいになればいい。

海外旅行保険

保険にはざくっとわけて3種類ある。
海外旅行保険、海外留学保険、海外滞在保険。


海外滞在は向こうで仕事する人向け。駐在さんとかだな。

海外旅行保険 = 旅行する人向け
・海外留学保険 = 留学(語学学校含む)
・海外滞在保険 = 滞在する人(働く人)


まず旅行保険会社にメールをだす。
数社ぐらいあるが、選定して4通だしたが、返信が帰ってきたのは2通。
うち1社に定めて、メールをだした。

海外留学で有名なA社とE社のうちE社である。


内容は以下。

・2008年12月7日から2009年6月末まで私立学校に個人留学で行く。
・延長の可能性あり
・しかし当方定期的に病院へ通う疾患あり(3ヶ月に1度注射による薬剤投与)
・また医療事故による難聴あり(軽度、補聴器使用、障害者保険なし)
・滞在中の仕事の可能性もあり。
・できればクレジットカードで払いたい
 =>現金をできるだけ減らしたくなく、クレジットカードは分割ができるため。


結果は以下のとおりであった。

・契約は可能
・延長も1回可能
・薬剤の名を教えてほしい、そしてそれ以外にはない?
=>(該当薬剤1種以外なし)

・ほかの疾患にかかっていない
=>(それはない)
=>当該障害に関しては保険は適応除外。
 ※日本滞在時も100%払っているのであまりかわらない。

聴覚障害の場合、契約できる保険に上限がある。死亡保険3000万まで。それ以上はかけられない。
=>ほえー、こっちのほうが重大なんだ。なぜだ?保険金殺人のリスクがあるから?

・仕事しそうなときに要相談。
=>(基本仕事なしで話をしていた)
=>基本はNGだと思う。海外滞在とどっちにしようか迷ったけどなあ。
=>ただしネットを利用したの不労労働はどうなんだろう…。

・クレジットカード
=>(代理店を紹介、その代理店がカード対応していればOK)


この情報をもって最寄の代理店に行く。
と…その前に「クレジットカード使えるか?」と聞く。


「つかえる」とのことで出かける。

■事前準備
・パスポート
・航空券(いくよ、というのを証明するため)
・留学先のINVOICE(メールのやり取りでも可。本格的な書面のないとこあるんで)
・保険会社とのメールのやり取り
・クレジットカード


代理店は某旅行会社の窓口。
留学系の書類をもっていなかったりするのでそれは要チェック。


説明を受ける。

■新しくわかったこと
・もしも期間が満たなかった場合、清算して返金というケースもありえる。
=>ただし支払いがなかったりとかいろいろ条件は厳しい。

・障害の有無は「どのパッケージを選べるか」等の相談がでてくる
=>特別に「表記されていない」値段のものがあるわけではない。
  3000万円までのコースであればどれでも選べる。


・2000万でも足りない場合がある
=>体位を変えられない重症患者で日本に搬送せざるをえない場合、正規料金でベッドがおける範囲の座席を買わないといけないため、2000万以上するんだと。
それをきいて思ったのはルクソール事件。
たしか唯一の生存者の男性が目から頭部をうたれてたためにエジプト国内で対応できず、フランスへ転院、それから日本に帰ってきた。こうした場合はたしかに簡単に数千万とんでしまう。


手続きは1時間かかった。
本来は30分。
小さな事務所だったのでデータ入力中に電源がおちただ…。
はい、やりなおし〜。


半年で十万以上するから、予算がなくなった向きには「非常にいたい」が、
大事なことだと思うんだよなあ。


とりあえず。


★障害者、既存の通院する病があっても加入できる
★代理店によってはクレジットカードが使える
★なぜか聴覚障害のほうが制限が厳しい


以上。