語学学習 奮闘記 その2

さあ動機はともあれ。
現実問題。


「大変じゃ!」。


一応大学で2年アラビア語も専攻して、中級クラスということになっているが本格的なアラビア語教育を受けているわけではないので、基礎からやりなおす。


かなり丁寧に文法を解説してくれるので復習としても非常によかった。


だが問題はアラビア語識字率があがるのと同時に「やはり」といおうか…。
「書き文字」のほうに「意識がいく」自分がいる。
聞くことよりも読むことに意識がいく。


だめじゃん、自分。


さらに。


実は日本で仕事や大学院で必要な言語は「英語」だ。
だから英語力を強化しないといけないのだが…。


「英語」から逃げようとする自分。


だめじゃん、自分。


理由がある。
英語は私の中で一番難易度が高い言語なのだ。
小学校からはじめたがなかなか…。
軽度難聴ということで高音域が聞こえない。
英語は高音域が多い言語なんだ。
摩擦音も多い。
私は摩擦音の識別ができない。
そもそも「なんで書いたとおりに読まないのだ?」でつまづいた。


書いたとおりに読まない理由がわからない。
「なんで英語のような難しい言語が国際語になったんだ(怒)」。


そりゃ「文法が簡単だからだよ。」
…なるほど。
けれども親友Xがいう。


「いうとおり英語は難しい言語だよ。」


親友いわく。
英語ができあがった初期のころ、つまりゲルマンの時代、は非常に素朴でわかりやすい言語だったらしい。
難しくなったのは「学問」をやるようになってラテン語流入したせいらしい。
さらに英語の国はイギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリア。
つまり「島国」なのだ。(アメリカ大陸、という島国、ね。)
島国で独特の発展をしてしまったためにややこしくなってしまったのだ。


昔は「name」と書いて「ナーメ」と読んでいたらしい。
ところが時代を経るにつれて「ネイム」とよむのに「name」と書く。
これが英語の難しさの原因だ。
見えている文字と聞こえる音が違うし、発音パターンが多い。


たとえば「さ行」と「シャ行」と「チャ行」の識別ができない。
「た行」の「つ」と「チュ」、「ザ行」と「ジャ行」。
実は自分の本名が正しくいえない。
「象」と「女王」のいいわけが難しい。
その音が英語には多くないか?


だからたとえばChest とcheckの聞き分けができない。
しかも書き文字にしても日本語のように「見た目」で識別ができない。
最近英単語のルーツを知ることでなんとか意味がわかるようにはなってきているが…。


さてアラビア語であるが、実はヒヤリング、発音という点ではこれが一番楽なのだ。
日本語よりも楽だ。
「補聴器なしで会話できるかも?」と思うぐらい楽なのだ。
フランス語にたぶん並ぶだろう。
…もしも中学時代に多言語の選択が許されたなら私はアラビア語かフランス語をやっていただろう。
なぜ楽か…。摩擦音が少ないのと「口の形をみれば」つづりがわかることだ。
アラビア語とフランス語の発音は口と肺とのどの使い方を覚えれば「その音がでる」言語なのだ。


アメリカの自閉症の子供にフランス語を聞かせたら自閉症が治った、という記事を読んだことがある。
そのからくりは英語とフランス語の差異にあるだろう。
つまりその子は英語の高音域は認識できず(聴覚はあるが脳神経が)英語は「ないもの」として認識していたのだろう。そこにフランス語。英語よりも低音域の言葉が聞こえてきた。そしてフランス語は口話教育の発祥になった視覚的発音をする。だから自閉症そのものが治ったというよりも自閉症の障害をクリアできた、ということだろう。


ちなみに日本語は「口話教育」にはむかない。意外にどの発音も同じ口の形をとるし、あまり口をうごかさないでしゃべる言葉のため口パクから言葉を推測するのは難しい。現場の状況や文脈というほかの要素の助けを非常に必要とする。この口をうごかさない、というのはたぶん私の好きなビジュアル系日本人!っていうのが背景にあると勝手に思っている。なぜならビジュアル系に必要なおしろいが水性だったためにはっきりとした表現で顔にひびが入る(!)リスクはあったからだ。


実際に今昔物語だったか…笑いすぎで顔のおしろいがわれて落ちていく描写がある。
麻呂様の「おほほ」笑いにも理由があったのだ。


そんな日本語に導入された「口話」。しかも「形を重んじる日本文化」。手話なんてもってのほか。
だから聴覚障害者はぐったり疲れてしまうのだ。脳疲労との戦いだ。
おくゆかしくメモを扇子にはって筆談でやりとりしたらどうか?
日本語は書き文字がベースの文化だ。
だから日本人は読み書きに強くても聞く話すが苦手なのだ。
現実に世界の書籍のほとんどは日本人が消費しているという都市伝説?もあるらしい。


アラビア語でできない発音は…基本「خ」だけだ。
聞き分けが厳しいのが「ح ه」だ。
でも口をみたらわかる。

خ
(kh) =ハー 発音方法としてはのどの奥からセキを出す感じ。qとkの合間というか。
ハーというようにkをだす。これに「゛」をつけて「غ」(gain)になる。
「ج 」(jim)と混同しやすいのだけど、日本語的にいうと関西の「が」が「ج 」で
関東の「が」が「غ」だ。関東では「んが」という感じで発音して「が」がクリアではないのだ。
表記上でないけど…。

ح
(h)なんだけど弱い「ハー」といわれる。「゛」をつけて「ع」(ain)になる。
これは正式な表記ではないが、漫画ででてくるこいつ。「あ゛」。

ه
これがたぶんいわゆる「は」。

28の文字の発音が非常にロジカルなロジックでできいている。
アラビア語の単語もそうだ。
ただ、残念ながら現在語彙力がない。


聞きやすさでは
アラビア語>日本語>英語だが、
自由に使いこなせるのが
日本語>英語>アラビア語


道はけわしいですよ。