「なぜにエジプト???」エジプト・イスラーム編
■なぜイスラム研究なのか?
過去に論文書いてきた性同一性障害をはじめとする「個人的問題」に対して
イスラムは基本的には人間の多様性を認めて明確な答えを用意しているから。
考え方のシステムがあるんだよな。
そのあたりを今後少しまとめてみようか。
なぜ「性転換を安易にしてはいけないのか?」という問いに対して
明確に答えを用意していたから救われた面も大きい。
とりあえず下記。コメントで…。こんなことがイスラムで考えられています。
「医療倫理」というのもわかるやろ?
◆事例1 ベリーダンサー問題
○「ラマダンの期間に、貧しい人々がベリーダンサーがめぐんでくれた食事をとるのは、宗教的に許されるか」→※1
「貧しい人々に対するいかなる慈善行為も、神の祝福を受ける」
「清廉な金か、汚れた金かは、人間が決めることではなく、神が決めることだ」
◆事例2 脳死・臓器移植・生殖医療問題
○脳死問題
人間の体は神が所有している」
条件つきで臓器移植を認める。
○生殖器官の移植問題
「子宮が他人のものであったとしたら、その子供は他の家系の特徴を帯びて生まれてくることになり、血統を受け継いでいくのが困難になる」→生殖器官の移植を禁止
。
○代理母出産問題
「女性の子宮を夫以外の精子や他人の受精卵、胎児などに使う事は認められない」
→冷凍した精子を夫の死後に受精させる事→「死とともに婚姻関係は消滅する」禁止。
「イスラムは4人まで妻帯を認めており、子どもが欲しければ2人目の妻をめとればいい」
◆事例3 同性愛問題
○ナイルボート事件
「イスラム法に照らせば死刑に値する」※2
同性愛に比較的理解がある欧米社会を「模倣する必要はない」と警告。
※1ベリーダンスは「イスラム」の伝統ではない。
むしろイスラム以前の「母性信仰」による伝統。
イスラムでは「人前で肌をさらすのはharam=悪いことである」ため、
当然、人前で肌をさらして踊るベリーダンスもharamである。
※2エジプトは近代国家として欧米諸国の法体系を取り入れている。
またすでにkhawalatなどのトランスジェンダーの存在を慣習的に黙認していたため、
法律制定時にソドミー条項(同性間性行為を罰する規定)は取り入れられず
したがって同性間性行為を禁じる法律や罰則は存在しない。
◆事例4 性同一性障害における性別適合手術
(1)原則として中性の状態を長期化させない。
(2)インターセックスについては無条件に必要な治療を施す。
(3)性同一性障害の場合、「性別を変更する」以外助かる方法ないと判断したなら
「障害者」への救済の枠で性別変更を合法とする。
(4)症状が性転換願望のみである場合、haramとする。
(5)この問題は性同一性障害問題全般に適用するのはなくて
性同一性障害の個々のケースに応じて裁定をくだすこと。
◆事例5 ES細胞研究
受精卵の段階では生命ではないという考え。
ごめん最近UPDATEしていない。
そのほかにも輸血とかいろいろあります…。
これから・・・なんだけど、食品→医薬→医療技術とみていきたいですね。