傾城の美男子「藤原信頼」役の困難 NHK大河ドラマ「平清盛」


藤原信頼を誰がやってくれるのかな♪」と思いながら、NHK大河ドラマ平清盛」のキャストを見た瞬間。

藤原信頼
藤原信頼 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%97%A4%E5%8E%9F%E4%BF%A1%E9%A0%BC


http://www9.nhk.or.jp/kiyomori/news/index.html

第一印象。


orz |||


わ、私が長年おっかけてきた「彼」が…。
わ、私の青春の研究が…。
演じてくれる俳優の塚他武雅さんには大変失礼な話であるが、


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塚地武雅 - Wikipedia


だって…。「傾城の美男子」だよ?
楊貴妃にたとえられるぐらい後白河法皇が愛した男だよ?(藤原信西コメント)
「傾城の美男子」=塚他武雅さん


う゛う゛う゛う゛ーーーーーーーーーん!


…冷静に考えれば彼の演技力に期待するしかないのかもしれない。


「頼長が『妖艶』なら、信頼は『愛嬌』で選ぶだろう」という考えでいくならば、
彼はいろいろな意味で適役なのかもしれない。


「美男子」の必須項目が「妖艶」という私の価値観でいくと、その「妖艶男子」を頼長(山本耕史役、しかも「妖艶に」との宣言どおり見事に演じた!)がおさえたために、信頼の人選が難しくなるということは容易に予想された。


しかも私が最初にイラストにかいた信頼は妖艶なのであるが、実は平治物語を読むと、

<参考>
平治物語 現代語訳◆
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/9333/hei.html
平治物語 現代語訳

そうして別当(惟方)をお捜しになってもいず、新大納言(経宗)もいらっしゃらないので、こいつらに出し抜かれたと、大の男で肥ったのが、怒りに怒って、躍り上がって地団太を踏んだが、板敷きだけが響いて、(逃げ去った者たちが)出てくることもない。

つまり信頼は「大柄で太っている『美男子』」だ。


またさとし個人がひそかに「歴史三大りこうバカ」にあげている一人でもある。
「りこうバカ」とは本当は頭もきれてセンスもいいのだけど、つめが甘いなどのいろいろな「バカ」な言動があり、結果論としてバカになる人のことである。


その三名とは、藤原信頼源行家、そしてロシア、エカティリ−ナ2世の最後の愛人プラトン・ズボーフである。


この3名、歴史上かなりバカにされて「無能」扱いされているが、相対的に見てみるとわれわれのほうがバカにする資格はない。


特に源行家プラトン・ズボーフはクーデータを成功させている。
今の日本の状況に対して今のわれわれがなにかできただろうか?
彼らの足元にも及ばないだろう。


だが、彼らがバカ呼ばわりされたのは爪の甘さだけでなく、ほかに凄腕の秀才がいたためでもある。


たとえば行家には甥の頼朝と義経が、プラトン・ズボーフにはエカティリ−ナ2世の最愛の愛人で秀才のポチョムキンがいた。公に認められる秀才と比べられてしまった現実も考慮しないといけない。


信頼の場合もそうで頼長がいたために、相対的に「おバカ」のレッテルを貼られた可能性が高い。


信頼は最後に六条河原で首をはねられるときに激しく抵抗した。それゆえに最後まで「バカ」の代表みたいにいわれたが、実は信西が復活させた死刑制度の「第1号」が彼だったのだ。「後白河上皇に愛された自分が処刑される」なんて「まったくの想定外」で(だからこそ後白河上皇に命乞いしたのだが)、ゆえに激しく抵抗するのは当然といえば当然である。まさに紙芝居で信西にたとえられた楊貴妃の人生をそのままなぞったような最後ではあった。


信頼は華々しいアイデアを行動に移すなどのめだった功績はないが、源氏が開拓した東国、陸奥蝦夷などの東国とも貿易システムを確立したとはいわれている。頼朝の名前は「信頼」の「頼」をもらっている。信頼の兄は藤原基成である。その基成の娘が藤原秀衡の妻である。ちなみに基成の父の従兄弟あは一条長成で彼は常盤御前の三番目の夫である。つまり源義経奥州藤原氏がここでつながる。


どちらかというと堅実な実務能力ではい上がった人だ。


そして後白河上皇に愛された…だから、妖艶というよりは「ほっとさせてくれる人」だったのだろう。


で、藤原信頼の条件は以下のようになる。


1、大柄で太っているが傾城の美男子。つまり「デブだが美形」。たしかに楊貴妃も豚にたとえられた豊満な人だったらしいが。
2.バカにみえるが実はかなりの「秀才」。
3.おばかな後白河上皇が「安心してつきあえる」愛嬌がある。


相当難しいと思う。


私が思い浮かんだのはマツコ・デラックス


http://www.naturaleight.co.jp/matsuko.html

マツコ・デラックス - Wikipedia


男色家の傾城の美男子のイメージ。オネエ芸人+おしゃれゆえ。
身長178cm、体重140kg。つまり大柄でデブ、でも美人。すべて満たしている。


そしてインテリであるが、バカにもなれる才覚がある。


キャラクター的に庶民の芸能を好んだ後白河上皇が好みそうなタイプでもある。


だが、残念なことに彼女は俳優ではない。特に時代劇にでられるほど演技の勉強はしていないと思われる。脇役ならば問題ないが、準メインキャラなのでやはり難しいだろう。


となると既存の俳優で探さざるをえない。


これは「世にたぐいまれなドブス」とされた吉川元春の妻新庄局(熊谷信直の娘)役をさがすに匹敵する困難さだ。


そう考えると「かわいい丸顔」とされ(よくみれば整った顔立ちだし)、きちんと俳優としてのキャリアもつんでいる塚地武雅さんが適役なのだろう。


これは「人選苦労しただろうな」と思う。


というわけで塚他武雅さん、私の第一印象覆してください。
5月13日初登場とのことで期待しております。