「ノマド」に思うその1−「場所と時間」の障害克服

ノマドワーキングとは
しばらく更新ができなかった。更新できない間にいろいろネタはたまり、ますます書くのが難しくなった。


私の性格上、「書く」という行為で自分の考えをまとめ行動を最適化するところがあるので、「かけない」とネタがたまりかなり苦しいことになる。


なので通勤途中などでiPhoneで書いたりできるtwitterではいくつか書いているが、こちらは久しぶりとあいなったわけである。


twitterをやっていると「ノマド」という言葉をひろう。


「オフィスのない会社」「働く場所を自由に選択する会社員」といったワークスタイルだそうだ。


これが若者の間で憧れのワークスタイルになっているらしい。


あえてここに「苦言」をもうしたいと思うことがあり、今回「ノマドワーキング」について書いてみる。


ノマドワーキングには大きな利点はある。


私自身、実は子供のころからそのいわゆる「ノマドワーキング」的な働き方を模索していた。「『ひきこもり』でも自立できる収入を得られる方法はないか」がテーマだった。


まず重大な危機感だったのが、一般の人が働けるだけの「体力」がなかったということがある。学校の通学時間が大体8:30−15:30だった。それをたえうるだけの体力がなかったのだ。それが一番の重大事項だった。また1ヶ月に1度はかならず「倒れていた」。さらに聴覚障害のために「人のなかにいるとひどく疲れる」。最後に性的障害で外見に問題があり、自分の身体を人にさらしたくなかったのだ。


内的な障害である聴覚障害と外見的な障害を負いやすい性的障害の特徴は「人間関係のインターフェースに障害がある」ということである。大きな弊害はコミュニケーションそのものに障害がでること。私が「自分である」感じていた「女性的な男性」としてうけとめてくれれば障害は軽かったが、「女性」として受け止められると話は違う。さらに聴覚障害のため、コミュニケーションスキルが極度に低く、そのため起こるトラブルを切り抜けるだけの力がなかった。さらに精神的なハンデとして「過剰適応」がある。これは障害になると皇太子妃雅子さまのかかった「適応障害」に発展する。それゆえ「女性」として見たい相手の期待にこたえようと努力してしまい、かえって人間関係にみぞができてつらい状況になってしまうということが多かった。


加えて喘息もち、免疫力は弱く感染症のダメージは大きい。


こうした精神的肉体的「負荷」によって、通常期待される1ヶ月25日8時間の連続した労働ができないということが最大のリスクであった。


「給料泥棒」「フリーライダー」にはなりたくない。
1人前の働き方ができなければお金のうけとることはできない。
それは「社会人」としてのプロだったら当たり前だろう。


そうおもうからまず小学校中学校でいわゆる公務員とか正社員とかいう「お堅い」仕事=いわゆる正規雇用はあきらめたのだ。そもそも1987年だろう、障害をもつものが正規雇用にまともにつけるという話自体がまず社会的にありえない時代だった。


もちろんそのころの障害者で正規雇用にありついている聴覚障害者はいる。しかし人間を半ば敵だと感じていた当時の私にとって政治力という点で厳しい課題であった。
(この問題が解決したのは2009年、つまり25年もたった最近のことある。)


こうした人間にとってノマドワークがなぜよいと感じたか。


いろいろあるんだが、最大の利点は「場所と時間」のコーディネートである。


上記でいうと精神的肉体的負荷によって長期間寝込んでしまうのに問題があるのだ。
それをさけるポイントが3つある。

1.疲れたらすぐに寝られる体制をつくる
ぶっ通しで8時間仕事をするから「もたない」というのがある。
日本のサラリーマンの労働だと昼休みが1時間しかない。
しかも同じ時間に動くので休まらない。
場合によってはランチミーティングとか、「最悪」である。

私の場合だと13時〜16時の昼休みで90分とか寝られると問題なく快復できる。
エジプトや中東のライフスタイルと思うが、
なかなか日本では難しい。

2.人間関係の「刺激」を極力へらす
つかれてしまう大きな原因が「気配り」と「刺激」である。
戦場のなかで常に緊張しているような状態になっている。
「戦闘態勢で人のなかにいる」といえばよいのか。
ここで8時間だとへとへとになる。

耳が聞こえない私が徹底的に叩き込まれたルールに
「周囲に心のアンテナをはる」というのがある。
人が話したそうにしているとかに常に気をくばれというわけだ。
なので人のいるところで一人ひとりの行動パターンをみている。
ところがこれがNHKの番組では「うつ病」の原因になるほど
脳にものすごい負荷がかかることがわかった。

人がいなければその気配りがいらないので
その分体力が温存できる、というわけだ。


3.感染症にかからないような安全な場所で仕事をする
1、2、で疲労しているところに風邪やウイルス持ち込まれたらアウト。
1、2週間は復帰できない。
そんな労働許す会社が日本にあるのか?

極論をいうと「病院内でもビジネスができればよい」
極端な話、「寝たきりでもビジネスができれば高齢者雇用の問題は解決する」

寝たり起きたりができればなんとか仕事ができる障害者は
かなりの数いると私は実感として感じている。


<つづく>