第15回 GID学会 3/23(土)、3/24(日) その1

3/23、3/24の土日は埼玉は大宮、大宮ソニックシティにて第15回GID学会開催。主催は埼玉医科大学産婦人科石原理先生。今年は演題が少なく、13時ごろより。生殖医療関連のテーマが多い。 #gid_15

http://gid-15th-saitama.kenkyuukai.jp/information/index.asp

間に合いたかったがわずかに遅刻。ホルモン療法についての第一回がきけなかった。「名古屋大学医学部附属病院泌尿器科におけるホルモン管理の現状」。これは過去にホルモン療法を開始していない当事者の協力を得て、のホルモン管理についての臨床研究。 #gid_15

名古屋大学?ホルモン管理の現状」
FTM19名、MTF3名の22名対象。FTM2名でそううつ状態感覚異常あり。1名は肝機能障害。のちに改善。MTFは糖尿病そううつ状態で中止。FTM患者3名統合失調症ないし発達障害のため中止。ホルモン投与の感覚があきすぎかも。 #gid_15

「マウス新生仔脳を利用した性同一性障害関連遺伝子の探索」
性同一性障害を早期に診断するためのバイオマーカーの発見のための研究。思春期の抑制を適切に行わないと生活の大きなハンデを抱えることが多いため。脳の性分化機構の研究。 #gid_15

「マウス新生仔脳?遺伝子の探索」
もしも性同一性障害関連の遺伝子が発見されれば、iPS細胞による生殖機能の再分化で性別変更できたりしないか、と考えた。質疑応答で同性愛との違いをどうするか、というものがあった。 #gid_15

「妊孕能温存を目的としたGID 当事者に対する生殖医療技術適用の可能性」リプロセルフバンクという民間会社の研究発表。明治大学で生殖工学の研究をやっているとのこと。妊孕能とは妊娠できる能力のこと。「実子がほしい当事者」への情報提供がテーマ。精子卵子の凍結による保存。 #gid_15

GID当事者のみならず、がん患者等の治療前の保存に対応している。あとで個人的に話をしたのでそれは後述するが、GIDや同性愛カップルには課題は多い模様。 #gid_15

MTF(male to female)対する性別適合手術におけるS状結腸による腟形成術の経験」ナグモクリニック。FTMの発表が多い印象があるが今年はsMTFをテーマに選んだとの話。カルーセル麻紀さんのモロッコのオペ時代からの古典的術式ではある。改良はされている。 #gid_15

山口先生、学会のたびにどんどん若返っている。さすがナグモメソッド(複数証言あり)…!ではなくて…(脱線)。S状結腸の術式はドナーが少ない場合やオペ後の狭さくによる修復につかわれる。術式としては安定してきている。 #gid_15

「造膣術における術式の選択」
岡山大学。関東でごたごた事件が起こりまくったのに対し、岡山大学は安定して治療施設でありつづけている。最先端医療のメッカ岡山ならではか?術式の内容については毎年発表されているやり方の最近の報告というとことか。 #gid_15

「SRS等手術療法に関する調査研究報告」
gid.jp 。2012年5月に東京都内で発生したFTMの乳房切除術における死亡事故をうけて調査。WEB上での調査なので偏りはあるが、250名回答。オペは「満足」だが重篤な障害もいくつかあり。「医療技術」「費用」が重要事項。 #gid_15

仕事の納期でつかれきっていて当日メモをとる&リアルTweetが困難だったので、この形で報告します。出勤時間が近づいているのでまた時間ができたときに報告続けます。by 伊東聰 #gid_15

「腸骨付SCIP皮弁による陰茎再建および陰嚢再建」
東京大学東京大学は意外に何人かの患者さんを引き受けている。腸骨って骨盤を構成している骨の一つで、腸をのせるからその名がついているんだが…。どうやってとってんねん!骨移植にはよく使われる部位のようです。 #gid_15

東京大学。正直申し上げてちょっとものがでかくできあがるかも。みためにはそれらしくはできるし、身体への審美的な影響は少ないのかな、と。当事者がどれだけいってるかは不明。 #gid_15

MtFに対しての喉頭隆起(喉仏)形成術」
岡山大学。ごめんなさい、魂がとんだ。軟骨の削りすぎ注意。声帯付着部に傷をつけてしまうと逆に低くなってしまうリスクがある。やはりのどに傷跡は残る。見た目にはのど仏はなくなる。 #gid_15

「SRS手術におけるクリニカルパス導入」
岡山大学。唯一の医療情報系の発表。クリニカルパスとはいわゆる「治療計画」「スケジュール表」のこと。先がみえない治療だと患者は不安がるし、医師も看護師もやりにくい。医療コストもかかる。治療費も圧縮されて病院の経営もよくなる。 #gid_15

これを導入できるということはある程度治療方法が定型化してきたということだ。で、実際例のS字結腸のオペで2W入院だったのが1W強に短縮されているようだ。医療ミスも軽減できるし、チームで情報を共有できる。 #gid_15

MTF当事者が初めて持つ性別違和感」
。思春期の子供の治療方針を成人した当事者のアンケート調査を通して考えた研究。MTFの場合治療が遅いと不可逆な男性化によって、容姿に障害を抱えてしまうなど影響が大きい。いかに子供も性別違和をキャッチアップできるかが、鍵となる。 #gid_15

性同一性障害の当事者性カミングアウト体験と相手の反応に対する意味づけ直し」
プレゼンの仕方がうまい。外見は望む性にみえていない時代のカムアウトの相手の反応のフィードバック。カムアウト直後は「うけいれられた」と感じるが、「わかってくれない」に変わる体験がある。 #gid_15

意図が相手に誤解され、人間関係に禍根を残すことも。GID当事者の研究は最近は難しくなっていると思う。外見ができていない時代の当事者のフォーカスしたからいい研究になっている。この手の研究は母数に偏りにより、結果がゆがみやすい。学生さん注意。 #gid_15

性同一性障害の合併か性転換妄想かの鑑別が困難であった統合失調症の1例」
一番興味深い発表だった。40歳のFTM統合失調症になったあとでトランス。親は「娘が発狂した」と思う。実は強固な忍耐力で女性を演じていたが、病気のせいで理性で抑えられなくなった。 #gid_15

性同一性障害統合失調症との誤診が結構多かった。両方を知る医師には鑑別は容易。統合失調症の性転換はすでに性転換している前提での言動が多い。破瓜型、男性に多い。ゆえに合併と診断。「男性として扱ってくれたことに感謝」とのこと。 #gid_15