研究準備メモ ユースフ・カラダーウィー

さとしの身体能力の制約上、「本人の中に関心・視点が生まれない」とそのものに対する探求、理解が進まない、という「欠点」がある。特に3者以上の双方向の会話・音声表現の中の「未知の固有名詞」に関しての反応は非常に悪い。故にイスラーム研究、と言葉ではいうが「えーーー!そんなのも知らないの?」ということも書くので【生】あたたかい目で見守ってほしいと思う。

さて、本題にはいると…。

とりあえずイスラームのもつ人間観をつかまえられそうなものをさくっと買ってきたわけだ。

修士論文のときは「1.まず特別な個人レベルのケース」があって、そこから思考を広げるというやり方をしてきた。
博士論文の場合はケーススタディのコレクションには意味はなく、基本的な思想をくみたてて最後に具体的提言へ持っていけるといい、と考えている。その論理的思考と提言が査読に耐えるものであれば合格、ということだ。

この場合、もっと広い一般的な形でのイスラーム法に対する知識と理解が必要なわけであるが…。

ということでですね、視点を広げるために最初にやるべき一番てっとり早い行動が「研究者、法学者」の背景を知ることだ。
なのでさくっと買ってきた本であるが、著者の背景をつっこむという作業が一番に発生する。

でまず、ユースフ・カラダーウィー師。
さきの日記では「ユーセフ・カラダウィ」と書いたが
ユスフ・カラダウィとも書くし、ユースフ・カラダーウィーとも書く。
ユースフ・カラダーウィーが検索件数としては多い。
書き直し。

エジプト出身カタール在住の人。
Yusuf al-Qaradawi
From Wikipedia, the free encyclopedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Yusuf_al-Qaradawi

アル・カラダウィ
出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%80%E3%82%A6%E3%82%A3

ユースフ・カラダーウィー
出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%95%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%BC

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同一人物を別のwikiで紹介してしまっている…。これ統合したほうがいいと思うなあ…。
wikiの編集はしたことがないので…。

★公式HP
http://www.qaradawi.net/site/topics/index.asp?cu_no=2&temp_type=44


★書籍集
アラビア語
http://ar.wikipedia.org/wiki/%D8%A7%D9%84%D9%85%D8%AF%D8%AE%D9%84_%D9%84%D8%AF%D8%B1%D8%A7%D8%B3%D8%A9_%D8%A7%D9%84%D8%B4%D8%B1%D9%8A%D8%B9%D8%A9_%D8%A7%D9%84%D8%A5%D8%B3%D9%84%D8%A7%D9%85%D9%8A%D8%A9_(%D9%83%D8%AA%D8%A7%D8%A8)


さきの紹介では「ポケモン禁止」のファトワー(法的見解:法的裁定)で有名、と紹介したのであるが、この人については語るべきことはほかにもある。

■社会的立場
・エジプト出身のイスラーム主義組織ムスリム同胞団のメンバー、国際ウラマー連盟会長。
カタール在住。カタール大学
・カイロのアル−アズハル大学を卒業
アルジャジーラの看板番組のメインゲスト
イスラームオンライン監修者
イスラームオンライン:
http://www.islamonline.net/english/index.shtml
修士論文のときに世話になりましたよ…。そのころよりファトワが増えております…。


■思想的コンセプト
◆同性愛差別主義者・イスラーム優越主義者
=>ウラマーのトップ&イスラームという思考回路システム的に
  これは「しょうがない、というか【当たり前】」という気もするが…。
イスラームと西欧的民主主義の両立は可能
イスラームをもっとわかりやすく身近なものに」
=>メディアの積極的活用へ
イスラーム法の考え方に従っても具体的政策を実現できる革新的「しくみ」をつくることは可能だ。

■見解
・女性の社会参加 =>寛容
・性生活     =>夫婦の自由意思
イスラエルに対するパレスチナ・ゲリラによる自爆攻撃を支持
・9・11同時多発テロに対するアフガニスタンへの報復攻撃でのアフガニスタンを支持
・非ムスリムイスラーム国家内での不平等は【当たり前】
・同性愛は「性的倒錯」、社会から撲滅されるべき
・非ムスリム男性とムスリム女性の婚姻を許容
=>これは非常にめずらしい。逆は「あり」なのだが...
・微量なアルコール飲料の摂取は構わぬ
=>スポーツドリンクの中に入っているらしいんだ…。
ローマ法王の暴言?「イスラムは暴力的」>、「中傷であり、無知だ」
ポケモン禁止>「カードゲームにギャンブル性がある」

■さとしのカラダーウィーの考えの個人的メモ
1. 社会が法をつくるのではなく、法が社会をつくる。
=>カラダーウィーがシャーリアとの比較研究であきらかにしているとのこと。

2. 権利の主張ばかりがめだつがその責任は西の考えにあるのではなく、イスラーム社会本体にもある。
欧米諸国は「権利の社会」、イスラームは「義務の社会」、(日本含むアジア「管理の社会」)

3. 現在のイスラーム法の問題点はイスラーム法の運用がわかっていないことにある。
=>そのために本来柔軟なはずだったイスラーム法のしくみが発揮されず、機能不全に陥っている。
=>浅い理解での法の運用をするからありえない人権侵害が起こりまくる…らしい。

■読め!的本メモ
مدخل لدراسة الشريعة الإسلامية
madhal a-diroasa al-sharia' al-islamia 1997
http://www.neelwafurat.com/itempage.aspx?id=lbb14511-13556&search=books

■おまけ
おもしろいなとおもった検索記事。

朝日新聞第1面『新世紀を語る』シリーズ 2000年4月29日掲載
イスラム法学者 ユソフ=カラダーウィー」
http://islam3.hp.infoseek.co.jp/column/qaradawi.htm

以下抜粋。

・「パソコンを他の電化製品と同じように利用することに問題はない。インターネットはイスラムの実像を世界中のムスリムイスラム教徒)、非ムスリム双方に伝達するためには、とても有効な手段だ」

・「イスラムが興る前、アラブ女性は家具のように扱われていた。預言者ムハンマドの下で最初に改宗したのも、最初の戦士も女性だ。。男と女はは補完関係にあり、対等だ。女性は働く権利を持ち離婚もできる」

・「西側からの堕落した文化による汚染は、警戒すべきだが、大事なのはムスリム各自の部分だ。私の講義を英語に翻訳するネットの拠点は米国だ。情報の受け手になるのではなく、非イスラム世界にどんどん発信してゆくことこそ、最大の文化汚染対策だと確信している」

・「現代社会は物質欲指向だ。科学が王様なのです。しかし、人間の幸福感は信仰を通しでしか得られない。欧米が主導する科学の良い部分は採り入れつつ、物質と精神の均衡を図る。ィスラム世界はそれを模索しているのです。」

・「二十世紀は科学技術、医療、人権などの分野で大きな成果を上けたが、過去に例のないほどの多くの戦争と流血の世紀でもあった。人類は月にまで到達したが、心の中の幸せを満たすことには失敗した。そう言った趣旨の本を執筆中だ」

・「米国は外見上とてつもなく大きな力を持っでいるが、多くの欠陥を内部に抱えている。道徳心の崩壊や同性愛をはじめとする性倒錯の広がりをごらんなさい」

・「自由、平等、友愛といった民主主義の精神は、イスラム法にすべで盛り込まれています。ただ、それを実現する仕組みが異なるのです。わがままで欲張りの個人主義ではなく、人生の価値を重視する民主主義が目標です。特に貧しい人たちに救いの手を差し伸べなくではならない」


■教科書・入門書として…手元にあります…。

イスラームの人権―法における神と人

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