うつ病いろいろ
友人【黒髭】と久しぶりに電話したときの話。
「実は…うつ病だったんです…」(友人【黒髭】)
「え!」(私)
「長い間我慢してしまったから、治るのに時間かかるかもとの医師の話で…」(友人【黒髭】)
あまりに仕事に集中できず、話かけられると脳内が白紙になるほどのコミュニケーション障害に悩み、もともと対人関係が苦手だった友人【黒髭】はSAD(社会不安障害)を疑い、私に話す。
病院にいくことをがまんして戦うよりも投薬で少しでも働きやすくなるのであればそれも「手段」と友人に精神科をすすめて、その通りにでかけたら「うつ病」と判明。
「SAD(社会不安障害)とうつ病の違いは?」と聞いたら、
SADは場面やシチュエーションが限定されているそうだ。
それが「いつも→常態」だったためにうつ病と診断されたそう。
心身の苦痛に我慢に我慢を重ねて3年以上長期化しているため、寛解するのに時間がかかるといわれて治療方針はじっくりと。
なにごとにせよ、治療は早期発見、早期治療がよろしいようです。
うつ病状態が慢性化してそれが自分の体調のデフォルトになっているという人はうつ病きづかんだろうな、と本当に感じたよ。
社会的マイノリティの問題を扱うと必ずといっていいほど、精神科系の知識も要求される。
社会的環境の劣悪さで心身の健康をこわしてしまう場合が多いからだ。
また、マイノリティになってしまう要因のひとつにもともと隠れていた「障害」によるハンディキャップが原因だった、ということもよくある。
と、いうわけで大学院の授業でも精神医学系の科目があったのだけど、うつ病の精神医学もこちらが関心をそらしている間にわけがわからんうちに進化したようで。
まず言葉の混乱があるのでそこから整理。
■仮面うつ、仮性うつ、新型うつ
まず「仮性うつ」という言葉はない。
軽度のうつ病のことをさしてつかっている場合もあるが、
仮性痴呆の症状のひとつとしてうつが説明されていたりするので
それが混同されているか。
で仮面うつと新型うつ。
勘違いしていたが、
仮面うつとは「精神症状がなく体にでるうつ」のこと。
医者によっては「身体表現性うつ病」といっているそうな。
そのほうが誤解しないな。
で、「好きなこと、自発的なものだけできるうつ」というのが
新型うつというそうな。
仮面うつをそれだと思っていたよ。
当事者でない人の意識なんかそんなもん。
■サイトカインなどなど
むかーしむかしといっても3年前に新橋にあった心療内科では血液検査、尿検査によるうつ病治療をうりにしていた。
職場トラブルが原因で体をこわしたときに世話になったが…。
ケアがはやかったためか、3ヶ月で復職。
院長がくせものでその後病院は閉鎖、2chにさらされてしまったが。
さて、「あれはなんだったんだ?」とおもいしらべてみたがうまい資料はみつからず。
「頻尿はうつ病の警告サイン」
http://nb02healthybody300.meblog.biz/article/1264179.html
http://nb02healthybody300.meblog.biz/article/1264179.html
・頻尿の原因は心因性頻尿がメイン
・頻尿はうつ病の初期症状の一つである
・頻尿は感じていても、その時点ではまだストレスを感じていない。
血液検査で「うつ状態」を判断、抗うつ剤の効果を素早く確認 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2362948/2726182
うつ病患者の脳細胞では、脂質ラフト(lipid rafts)と呼ばれる部分に、シグナル伝達に関与するタンパク質「Gs alpha」が多く存在していることがわかった。
サイトカイン
サイトカイン - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%88%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%83%B3
サイトカイン うつ - Google 検索
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&q=%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%88%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%80%80%E3%81%86%E3%81%A4&lr=
ストレスを感じると免疫細胞からたんぱく質サイトカインが放出される。
これを検査するそうな。
うつ病だけじゃないが、「体がぶっこわれていること」はわかるんだろうな。
あと僕が読んだ本。
- 作者: 田辺功,松澤大樹
- 出版社/メーカー: 西村書店
- 発売日: 2008/12/01
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 12回
- この商品を含むブログ (16件) を見る
心の病は脳の傷―うつ病・統合失調症・認知症が治る (単行本)
松澤大樹医師のHP
http://www2.ocn.ne.jp/~taijudr/
http://www2.ocn.ne.jp/~taijudr/
ただしこの医師の専門は放射線診療でMRIでうつ病が診断できることで評価されているわけではないことに注意。
現時点では疑似科学のひとつに位置づけられている。
http://scholar.google.co.jp/scholar?q=%E6%9D%BE%E6%BE%A4%E5%A4%A7%E6%A8%B9&hl=ja&btnG=%E6%A4%9C%E7%B4%A2&lr=
http://scholar.google.co.jp/scholar?q=%E6%9D%BE%E6%BE%A4%E5%A4%A7%E6%A8%B9&hl=ja&btnG=%E6%A4%9C%E7%B4%A2&lr=
でも結果を出してきているとの話。
これは「自由診療」にあたるから、その意味での批判も多いらしい。
うつ病の診断に放射線診療ってどうよ?という話で。
診断画像になんらかの病変は確実に移っているのでわかりやすくはあるのだけどね。
まあ、いろいろな事情があって「お墨付き」がない、ということよ。
ただし「お墨付き」があるないで判断するのもどうか、と僕個人は思う。
なぜかというと「お墨付き」のプロセスにいろいろな問題をはらんでいるから、診療効果の是非だけでないもので動いたりとか、効果があったとしても「お墨付き」がでるのに時間がかかって当事者の「たったひとつの人生」に「間に合わない」ことがあるのだ。
要は「自分」が納得するのであればいいんよ。
白血球で診断
http://www.asahi.com/science/update/0710/OSK200907100164.html
そういえば10年前に白血球が異常数値をしめして治らなかったことがあったなあ…。
白血病をうたがわれるところまではいかなかったけれど、大学卒業があやぶまれたよ…。
原因不明のまま風邪もこじらせやすくて半年寝込んだが
あのときって実はいわゆる「仮面うつ」だったのか。
■進化しすぎた脳
進化しすぎた脳―中高生と語る「大脳生理学」の最前線 (ブルーバックス)
- 作者: 池谷裕二
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面白かったぞ。
中高生向けの授業形式でやっているのね。
以下、少し感想&要約。
第一章
「心はどこにあるのだろうか」
これは脳科学の基礎的な話。
「人間は脳の解釈から逃れられない」
「世界は脳のなかでつくられる」
→感覚機能が違ってしまうと世界観価値観まで変えてしまうのがよくわかる。
第三章
「人間はあいまいな記憶しかもてない」
神経細胞、神経線維、ナトリウムイオン/塩素イオン、シナプス、神経伝達物質、GABA、グルタミン酸、自己組織化、へブの法則、NMDA受容体…。
ようするに脳のシステム的な働き方を説明。
第四章
このあたりでいわゆる精神神経科系の話を扱う。
アルツハイマー病、β(ベータ)アミロイド、プレセニリン、筆者の研究が薬学の研究なので「病と薬」の関係を扱う。
P278
「うつ病がなぜおこるかわかっていない」
「うつ病に効く薬がある」
「どの薬もノルアドレナリン、セロトニンに効いている」
「統合失調症がある薬で治ることがわかった」
「その薬はどこにきいているか、ドーパミンに効いていた」
「このように薬を通して病を知る」
以上。