聴覚障害サバイバル 1

聴覚障害をもつ母親の相談投書をみつけた。


社交辞令がよくわからないために、
人付き合いに失敗してトラブルになり、友人がいない。
また子どもも意志表現が弱いためにいじめられる。
学校を変わったほうがいいか、というものであった。


ちょっとかいたのだけど、時間切れで投書不可能だったのでブログへ。


◆すんでいる地域の性格を判断する
「社交辞令など、よくわからず」というよりは
いわゆる「村社会」であるために、
「暗黙の了解的常識」が多すぎる可能性があります。
その社会のコミュニケーションパターンがわからない。
小さいコミュニティだとよくあります。


あらかじめ前提となる情報が必要で、
「空気を読む」がかなり要求されて、
会話にも「ふくみ」が多くて、
最悪「5w1Hなしで通じてしまう」など、
その場の会話のみでわかりあうのが難しいのではないですか?


空気を読む場合「耳」で話を聞きながら「目」で態度を読むこと、
「小耳にはさむ」を多用するなど、「目」で言葉を聴き、
必要を感じたときに情報をとりにいくしかできない
すなわち寝耳に水的情報がはいらない聴覚障害者にはかなり厳しく、
身体的制約で事実上不可能に近いです。


周囲にきいても周囲には無意識レベルなので
言葉で当事者に説明できずかえって「めんどくさい」と
なってそれが人間関係のトラブルの原因かもしれません。


聴覚障害者=気難しいという健聴者側のイメージがあります。
気難しい、めんどくさいが人間関係に問題がおこる主要な理由で
当事者が「嫌いだ」ではないとおもうので、
自分なりの役割をつくって、
わりきったほうが楽になるとおもいます。


逆に聴覚障害者の「話を聴きすぎる」「親身になりすぎる」が
原因で相手の「甘え」を引き出してしまい、こじれる場合もあります。
ものごとの整合性を保とうとする=テストの答えを答えるようなやりとりも
聴覚障害者のコミュニケーショントラブルの原因になっております。


ですので「なんとかしよう」ではなくて
「こんなもんか」で向き合うと楽になるとおもいます。


◆コーダであること
コーダ (聴者) - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%80_%28%E8%81%B4%E8%80%85%29


知り合いではいませんが、
コーダの子が小学校でろう学校を選択するケースを
聞いたことがあります。
音声言語での意味のあるやりとりがわからないからだそうです。


意志表現が弱いはそのまま息子さんのキャラクターではなくて
音声言語世界でのサバイバル技術が不足していると見えます。


そうするとまず考えられるのは「人が怖い」という
思いをもっていることなので、
人や環境がかわるともっと萎縮することになりかねません。


年長で幼稚園をかえたりするよりは、
その環境でスキルをつけることを覚えたほうが、
周囲もキャラクターをわかっているのでいいと思います。


利用されたり、意地悪をされたりというのは
相手の子どもがなんらかの理由で「支配欲」が強いので
まずそこにフォーカスして息子さんと話すといいと思います。


「どういう気持ちがした?」
「どうしたい?」と言葉で感じて言葉で伝える訓練をすることです。
アサーティブで調べてみてください。


◆学校について
地元の学校がいいかどうかというよりは
地域と学校の性格を調べたほうがいいかもしれません。


気をつけてほしいのは「表面的なよい/悪い」にまどわされないことです。


たとえば特別支援学級がいわゆる「よい地域」にあったとします。
でも、そういうところは
内情は「上流社会のドロドロの人間関係」があるなど
かえってよくない場合があります。
上下関係で傷ついたこともが障害の子を下位にみて支配する、
親が忙しくて孤独な子が障害の子に嫉妬してトラブルをしかける世界があったりします。

逆に「問題校」とされている学校でかつ人の出入りが多いほうが
いろいろなタイプの人があつまるため、
「違う」ことへの理解や「ふくみの少ない」コミュニケーションを
とったりするのでかえっていい場合があります。


まずは「健聴者ってどんな人?」を相談できる友人を得ることです。


参考になれば幸いです。