トトメス一族の「家庭問題」…Tweetより

【本日の考え事 その1】トトメス二世は長い闘病の上、心臓病で死。ミイラがふけて見えるが、ぽっちゃり型の兄ちゃんがミイラ化でやせたせいもある。心臓病が弱いので子供も少なかったんだろうな。トトメスの一族には遺伝性の疾患があるとのことでそれもあととりが育たない理由のひとつかもしれない。

トトメス2世のミイラ。やつれている様子がよくわかる。

トトメス2世のたぶん面影のある肖像。棺のデザイン。
これみるとぽっちゃり。
で、ミイラの顔のしわから生前はぽっちゃりだったのがわかる。


【本日の考え事 その2】トトメス3世が母が血族の人間でないのでなんとか。ハトシェプストは奇跡だろうな?。トトメス1世は王家の遠縁。彼と側室ムートネフェルトの子供が弱い。彼女の母系の家系の遺伝かも。ムートネフェルトは正室のアハメスの妹。しかしムートネフェルトが最初の妻だろう。

上記の考察になった元ネタのfamily tree(家系図)。
ハトシェプストの兄であるワジメス、アメンメスがムートネフェルトの子になっている。
Joyce Tyldesley, Hatchepsut: The Female Pharaoh, Penguin Books, 1998

Hatchepsut: The Female Pharoah

Hatchepsut: The Female Pharoah

ワジメス廟に彼女の肖像があるかららしい。

【本日の考え事 その3】ハトシェプストが生まれたときはトトメス1世が一介の軍人貴族でしかなかったと思う。妹が最初の正式な妻でなんからの事情で後継者としての地位をあげるためにあとで姉と結婚したのではないか。もしかしたらアハメスは最初の後継者候補の未亡人かもしれない。


【本日の考え事 その4】トトメス3世の息子のアメンホテプ2世の遺伝性の病など悲惨だ。ミイラ見てびっくりする。にもかかわらず反対に鎮西八郎為朝=ガンダムといわれているが@平清盛、彼もそれに匹敵する超人だ。身長183センチ。ミイラの中では一番高身長。弓の腕前も船漕ぎも桁外れのパワー。

http://www.eplibrary.co.uk/catalog/mummy-amenhotep-ii
アメンホテプ二世のミイラ。
首から頬のあたりの皮膚疾患に注目。
彼の場合、ほぼ全身にある。神経線維腫ってやつかな。

ハトシェプストももしかしてトトメス一族?と思われた理由のひとつ。

<参考>
ディスカバリーチャンネル「蘇るハトシェプスト女王」…に見る、エジプト考古学の超裏事情(笑) 現在位置を確認します。/ウェブリブログ
http://55096962.at.webry.info/200901/article_34.html

【本日の考え事 その5】似た状況の友人がいる。リアリティをもってハトシェプストたちの遺伝病を思う。疾患は命をとるほどではない。とはいえ、重症化すると大変。ハトシェプストの兄弟はわかるのは6人。育ったのは二世との二人。トトメスの王朝が後継者になやんだ大きな原因だろうな、と思う。

この手の遺伝性疾患にはいろいろな種類があるのだけど、
癌の発生に気をつけることぐらいで、
体の弱さを除くとまあ普通に一般の生活で暮らせる。
ただ知ってのとおりで免疫系にも影響が出てしまっている場合には
感染症に弱かったりするのでツタンカーメンの例にもれず
やはり早死にするケースは多かったように思う。

【本日の考え事 その6】逆にトトメス三世の子供たちは何人いるかわからんが、酸くなくとも正室腹の子供たち6人は全員育っている。ともあれトトメス三世は「奇跡の子」でハトシェプストにとっても大事な子供だったはずだ。ただ息子…とは思えなかっただろうな。なので「弟」なのだ。


【本日の考え事 その7】年の差15歳。ま、史実かわからんが。1940年代までの古代エジプト史には彼らは「姉と弟」。今は「義母と息子」。でも行動からみるメンタリティ的には「姉と弟」。だからトトメス三世は大事にされながらも厳しく育てられた。「俺、ファラオのはずだけど?」的に。


【本日の考え事 その8】ハトシェプストとトトメス三世の関係はおそらく毛利輝元小早川隆景の関係に近かったと思う。大河ドラマ毛利元就」で描写がなかったのが残念だが、父母と早く別れ、子供のなかった隆景と父を早くなくした輝元。「俺?棟梁なの?」鉄拳制裁ふくむ厳しい教育だったとか。

吉川文書によるとか。

【本日の考え事 その9】トトメス三世がハトシェプストを憎むという物語。ないことはない。あるときは神官としての教育、またあるときは軍隊の中の教育。ファラオであることを忘れるような日々。いらんことを吹き込んだ側近もいるだろう。しかしその経験が実務にたけたファラオをつくった。


【本日の考え事 その10】ハトシェプストには軍人として父のモデルがある。路線はぶれていない。もちろんやりたいこと=海外遠征で貿易!もあるが、中継ぎで後継者育成に力をいれていたのだろう。それは異性だと「姉と弟」だとうまくいく。おそらく母と違い「好敵手」にもなるというのが重要。


【本日の考え事 その11】もちろんトトメス三世が育った結果「ぼんくら」ならファラオをやめさせたかもしれない。そうなったら「誰が」ファラオになったのだ?たぶん候補はほかにもいたはず。先代の王女たちの子孫など。だからこそハトシェプストの立場は非常に厳しいものだったのだと思う。


【本日の考え事 その12】ハトシェプストは最初は女性であることの利点を利用していた。しかし晩年にはフルタイムで性別越境している。性別越境は本人に最適な場合「重症化する」のでそれもありだが、愛人とされたセンムトの失脚あたりが鍵かもしれない。彼がいなくなってフルタイムに移行。

◆ハトシェプストのFTMトランスの過程。。。
王妃時代。

http://en.wikipedia.org/wiki/File:HatshepsutStatuette_MuseumOfFineArtsBoston.png
ボストン美術館

◆女性用の衣装+ファラオの飾り

http://www.metmuseum.org/Collections/search-the-collections/100001215
メトロポリタン美術館

◆FTM
ハトシェプストの肖像の中では一番のお気に入り。

ニューヨーク旅行 -メトロポリタン美術館 その3-: a SuNNy SMiLe BLOG
メトロポリタン美術館

◆フルタイム?

http://www.metmuseum.org/Collections/search-the-collections/100000731
メトロポリタン美術館


【本日の考え事 その13】センムト失脚時42歳、ぎりぎりだな…。いや、いいよる男がいるかなと。たぶん名前があまり残っていないライバルがわれわれが知る以上に多かったんじゃないかと思う。トトメスの晩年、ハトシェプストの死後20年にのファラオ時代野の肖像が破壊されたのはそのためらしい。



【本日の考え事 その16】このミイラが45歳ぐらいに死。センムトは三世の単独統治時に復活とか。ほどなく死亡。つまりセンムトはハトシェプストの2、3歳は年下RT @stshi3edmsr: 【古代エジプトミイラの話】センムト疑惑のあるミイラ。


Googleの画像検索による。
右のだと老いて見える。それとミイラの肖像がよく似ているらしい。


【本日の考え事 その16】センムトとハトシェプストの話はちょうど大河ドラマでやっている「平清盛」の清盛と盛国の関係に似ているかもしれないと思う。デルエルバハリ=厳島神社、プント交易=宋との交易。センムトは家庭教師にも留守番役宰相にもなる。


【本日の考え事 その17】しかしファラオの仕事って結構たくさんあるな。。考古学的な研究によっていろいろなものがどんどん判明しているから物語りもかわっていくよね。年配と考えられたセンムトが若い可能性。でもそうでないと性別越境するというハトシェプストのアイデアを採用できないと思う。


【本日の考え事 その18】しかも性別越境が私がハトシェプストに興味もったときよりもはるかに時間をかけて行われているというのは論文書いた15年前より大きな気づき。若い学生だったから「さくっとトランス(性別越境)すればいいじゃん」と思えてしまうんだ。社会人にならないと理解できない。


【本日の考え事 その19】若いときはアイデンティティが「男」ならファラオにとなればいいのにと理解不能。それは結婚経験のある若い女性が「女戸籍」のまま「男として正社員に」というようなもん。無茶だ。むしろ「女戸籍」での実績=アメンの妻を利用して実績つんで性別変更したほうがやりやすい。


【本日の考え事 その20】「心が男なら徹底して男で生きろ」と90年代のTS原理主義性別観を内在してたな。ハトシェプストは「フルタイムかパートタイムか」ナンセンスな問いだったな、と。若いときはパートタイム、でも晩年はフルタイム。パートタイムは長期間は無理。トトメスのことを思っても。

★TS原理主義性別観
TS=トランスセクシャル
性転換症 - Wikipedia
「TSなら心の性で生きるべき」

実際に本人の意識・気持ち以外の社会的な力学が働くので性別越境前に100%別の性別で生きるのは不可能。欧米のキリスト教価値観による強固な性別二言論=「男と女は別の生物学的発生で別の生き物」への防衛として生まれたという見方もできる。

実際身分証明のいらない仕事を転々とするようになるため、
保険も年金も雇用保険もなし、かなり不安定な生き方になる。