さとしの難聴の対策方法(7か条)

カムアウトの問題は「見えない障害」であればあるほど、悩み深い問題である。


私は「聴覚障害者」であることのカムアウトはある程度必要と考えている。なぜなら「聴覚障害者」のことは健常者には「わからない」のだ。そのため周囲があれこれと悩んでしまって、最終的に「敬遠」してしまうことになる。これは強いフラストレーションにつながる。


そういうわけで研修の中で「私とどのようにコミュニケーション」したらいいかを話し合った。


その中ででてきたのがこの7か条である。


これを現場にいくたびに自己紹介の時間を確保して、「伝える」ということをするのだ。


■私の難聴の対策方法(7か条)
1 はっきりと話してもらう(音の差異がわかればいい)
聴覚障害」というと「大きな声で」と思われる健聴者が多いが実は「音の区別がつくこと」のほうが重要なのだ。



2 ゆっくり話してもらう
これも同上。



3 自己紹介の時間をもうける
これを先につたえることであとのコミュニケーションが円滑になる。



4 読唇術(読話)を併用しているので、唇をみえるようにしてもらう
読唇術とは
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AA%AD%E5%94%87%E8%A1%93

私の場合、その人の声になれると「なし」でもわかるようになるが、念のため。
この読唇術の話をすると「遠く離れた人の会話をすべて読み取るスパイ技術」ということで耳が聞こえないハンデをこれで逆転して得意技にしようと子供のとき挑戦したが、挫折。できたら「ちょーかっこいい!」クールな私を演出できたのに(爆)。もちろん「クールすぎる私」の弊害も研修で暴露されましたが。


話をもどそう。そもそも読唇術で正確に話を理解できる精度は30%から40%らしい。大学時代の選択外国語はフランス語であったが、たしかにフランス語は口の形でつづりまでよめるが、日本語はよめない。魔法の技術ではないのだ。それを公教育でとりいれたことにより、聴覚障害者のコミュニケーション能力を奪ったという弊害があり、聴覚障害者の強い反感があることは付記しておこう。


5 1センテンスを短くしてもらう
YAHOOのウェブ翻訳などで字数制限があるだろう。考え方はあれと同じ。つまり私の脳の中でゆがんだ音を一度翻訳機にかけて日本語に直して、解釈、理解しているため、大量の言葉は翻訳の限界があり、結果として相手のいった意図をつかむことができずに「誤解・暴走」の原因になる。


6 固有名詞・専門用語は書いてもらう
固有名詞・専門用語は私の脳に「登録」がないと聞き取れず、結果聞き返しが多くなるので、時間のロスになる。基本的に私のほうで予習してつっこんではいるが、できれば…。


7 ジェスチャーがほしい
日本人はいやがるが、たとえば下記のミスは確実になくなる。
私がエジプトのほうが「楽」な理由のひとつ…。ジェスチャーがあるなしがあります。

■やりがちな事故エピソード

                                  • -

  とある開発現場のテスト工程で
リーダー「伊東さん、準備ができたら教えてね」
私  「はい」

            • 準備完了-----

私  「準備できました」
リーダー「ありがとう。じゃあ、まって!」
私  「はい」

            • 処理実行!-----

私  「実行しました」
リーダー「えっ!『まって』といったのに!」
私  「えっ!『やって』といったんじゃ!」
・・・・ひょぉぉぉぉ・・・(風の音)

でもこれは普通の人でもやるのでは?という話も。


これを名刺としてつくろうと考え中です。