人工内耳 −ガイドラインとやら?
もちろんありがちな話で「安全志向」「管理主義」の日本社会だから当然あるであろうガイドラインがこちら。性同一性障害のガイドラインと同じで「小児の人工内耳適応基準」というものがあるということを知った。しかも、「見直し」が行われて今年2006年1月に理事会で承認されたとか。
日本耳鼻咽喉科学会の福祉医療・乳幼児委員会で出しているとのこと。そんなことしらなんだわ…。ということでこの「小児の人工内耳適応基準」とやらをながめてみる。
●人工内耳友の会[ACITA]ホームページ
http://www.normanet.ne.jp/~acita/
その中のニュース
http://www.normanet.ne.jp/~acita/news/2006news/syounitekiou2006.4.htm
抜粋してまとめてみる。
I.人工内耳適応条件
A.子供の場合
*前提条件
家族、医療チームなどの専門職首都の一貫した協力体制ができていること1.医療機関における必要事項
A) 乳幼児の聴覚障害について熟知し、その聴力検査、補聴器適合について熟練していること。
B) 地域における療育の状況、特にコミュニケーション指導法などについて把握していること。
C) 言語発達全般および難聴との鑑別に必要な他疾患に関する知識を有していること。
2.療育機関に関する必要事項
聴覚を主体として療育を行う機関との連携が確保されていること。3.家族からの支援
長期にわたって、継続的な家族の協力が見込まれること。4.適応に関する見解
A) IIに示す医学的条件を満たすこと。
B) 当事者(家族および本人)、医師、療育担当者の意見が一致していること。B.18歳以上の場合
本人および家族の意欲と理解が必要。?.医学的条件
1.手術年齢
A) 適応年齢は原則1歳6カ月以上。年齢の上限の規定なし。
2.聴力、補聴効果と療育
A) 種々の聴力検査を用いても両耳とも平均聴力レベル90dB以上である場合。
B) 少なくとも6カ月以上にわたる最適な補聴と療育によっても
両耳とも平均補聴レベルが話声レベルを超えず、
補聴器のみでは音声言語の獲得が不十分と予想される場合。
「小児人工内耳適応基準」の見直しの概要と解説というものがこちら
●「きこえ」と「ことばの発達」情報室
http://www.warp.or.jp/ent/index.html
このHPの「人工内耳」についての情報
http://www.warp.or.jp/ent/jinkounaiji/jinkounaiji_tekiyoukijunminaosi.html
それによると特徴は以下のとおりである。
?早期発見と早期療育の問題は乳幼児聴力検査の進展で達成
?適応年齢を1歳6カ月、聴力閾値では平均聴力レベル90dB以上
?補聴レベルで55dB程度を追加
?適応基準をより厳格化理由は以下のとおり:
1.オペに関して自分の意思決定ができない
2.正確な聴力を把握しにくい→オペの適用か不明
3.術式のために残った聴を失うリスクがある
4.聴力レベルが90dB以上であっても、療育によっては補聴器で対応できる場合も実在する。
5.療育の現状は、地域によってかなりの違いがある
結論として家族、保護者はもちろん、手術施設内外の聴覚・音声言語指導の療育にかかわる人達との意見の一致は必須項目となる。つまり周囲の強力なサポートがないと人工内耳の効果は望めないということだろう。