人工内耳 −人工内耳とのであい−6

ここまで人工内耳についての連載をしてみた。まさかここまでするとは自分では思わなかったが、「耳の障害」というものについてここまで深くしらべたのは初めてだったので、いい勉強にはなった。


ところでいろいろと書いたが、人工内耳のユーザーが知り合いにいるか、というと実は「NO」なのである。実際人工内耳を使っているユーザーさんをみたのは昨年はじめてだったのである。


出勤途中で見かけた親子連れ。その男の子の耳と頭にあった黒い物体をみて、「ああ、これが人工内耳なんだ」と思った。私好みの長い髪の利発そうな男の子だったため、余計に印象に残った。幼稚園か小学校1、2年生かな?ここは官公庁の町だから、朝の出勤時間帯の親子というのは結構めだった。「言語訓練にいくのかな?」がんばれ〜、と背中に心でエールを送って会社へ向かった。


みたのははじめてだったが、人工内耳そのものは名前だけは知っていた。私が卒業した昭和62年(1987年)に難聴学級のOBの会報ができた。その会報に1992年人工内耳に関する記事がのった。私にとってそれが「人工内耳」というものとのはじめての出会いだったかな。その会報手元にあるので呼んでみる。以下抜粋。


当時は子供には行われていなかった。1968年に聴神経への電気刺激の臨床研究の応用がおこなわれ、1990年時点で世界中で2600個の人工内耳の埋め込みが行われた。


日本ではじめて導入したのが1987年、東京医大で行われた(当時100名の適用例)。
手術が3時間、入院が3週間。リハビリに2週間。


費用は

・機械が一式 319万円   (きゃぁぁぁ!…高い…)
・オペ代   50万円
・入院・検査 80万円    これには当時から健保適用。

319万 + 50 + 80 = 449万


約500万ぐらい…。

平成6年(1994年)目標で保険適用へ向かい、実現したので今は保険適用ができて6、7万とか?

時代はかわるなあ・・・。しみじみ。


実際にオペをした人の話ではオペ代に130万かかったようだ。入院が65日。
今は約400万ぐらいなんだとか…。想像がつかない・・・。当時は中途失調者の方がオペをうけることが多かったようです。

じゃないとオペ代が用意できないよなあ。。。


ちなみにオペで聞こえるようになったからといって等級がかわるわけではないので、障害2級であれば2級のままだそうです。

私が記録魔、とっとき魔だから、20年前(1987年)のデータがでてきたわけだけど…。


時代を感じますなあ…。今回で人工内耳の話は終わりです。