リーダ−シップにこだわった理由(わけ) その3

 人生の初期のころ、私がリーダーシップにこだわったわけは単純に「集団のなかでの力=権力」を得たかったわけではない。もっとささやかな願いのためであった。


そのささやかな願いとはなにか。


それは「自分の身体・人生について主体的に決定できる力を得ること」であった。つまり自己決定の能力である。「自分のことを自分で決める」それは髪の長さから職業、教育の選択、住む場所まで多岐にわたる自分自身に対しての選択を自分の意志で選び取ることのできる能力がほしい、ただ、それだけのものがほしかっただけだった。


自分の問題に自分で決定し、答えをだせるようになるためには「第三者に自分をゆだねるような状況」に決しておきたくなかった。何者にも私の身体・属性・行動のすべてにおいて、口をはさむことがないような状況に自らを置く方法、それは「人の上にたつに値する能力を身に付ける」ことにはかならなかった。


「自分の人生の支配者は自分自身でなければならない。決して第三者に依存する形で自分の人生を支配させてはならない。」


それだけが幼いときからの私のたったひとつの最大の願いであった。そのために必要だったのは「自分にかかわる情報の第三者への依存をたちきること」であった。「リーダーシップの能力を得ること」と「情報の他者依存を断ち切ること」、このふたつは表裏一体の必須項目であった。